AMEDについて GloPID-R(感染症のアウトブレイクに対する国際連携ネットワーク)への加盟、活動状況

GloPID-Rは、平成26年のエボラ熱の突発的流行における世界の対応の反省に立って、欧州委員会がHIROs(Heads of International Biomedical Research Organizations)に働きかけ、平成25年に設立された国際連携イニシアティブです。平常時から各国間で情報共有を進め、パンデミックの脅威となるような感染症のアウトブレイク発生後には48時間以内に効果的対応を行うことを目指して、メンバー機関間で対策や備えについて議論が進められています。


【ブラジルでのワークショップに参加した日本人研究者】

参加メンバーは令和元年6月現在、アルゼンチン、イタリア、インド、英国、エジプト、カナダ、ケニア、メキシコ、EC、ドイツ、フランス、ブラジル、スペイン、オーストラリア、韓国、ノルウェイ、南アフリカ、タイ、米国、オランダ、アフリカ全体(アフリカ科学アカデミー)の政府、政府系非政府系の研究支援機関です。民間では、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカム・トラスト財団も加盟しています。日本からは、平成27年8月、AMEDが加盟しました。

GloPID-Rで進行中の主な議論は、データシェアリング、ジカウイルス感染症対策、Readiness Plan(平常時における準備)などです。感染症研究データシェアリングに関して、AMEDは、平成28年2月10日、英国、カナダ、米国、中国、インド、ドイツ、フランス、南アフリカ、オランダ、インドなど世界の研究支援機関と、Science誌、Lancet誌など学術出版社と連名で、‘ジカ熱の研究から得られるデータや結果を遅滞なく共有する声明’に署名していますが、きっかけは、GloPID-Rメンバー機関の一つ、ウェルカム・トラスト財団の呼びかけによるものでした。
また、平成30年6月には、やはりウェルカム・トラスト財団の呼びかけにより、エボラ出血熱に関連する研究成果とデータを広く迅速に共有する声明’に、AMEDも署名しました。

AMEDの活動としては、これまで、GloPID-R年次総会への出席、MERS・ZIKV(ジカウイルス)・エボラ出血熱関連のAMED研究支援に関する情報提供を行い、GloPID-R内の議論や情報交換に参加してきました。また、平成28年11月末には、ブラジルで開催された「GloPID-Rジカウイルス感染症研究ワークショップ」に、日本から、AMED新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業で支援する研究者らが参加しました。さらに令和元年5月には、GloPID-R年次総会のホストを行いました。
感染症対策研究において、世界との連携は必須であり、GloPID-Rとの連携をさらに強化してグローバルな研究開発につなげていくことを目指します。

最終更新日 令和元年6月14日