疾患基礎研究課 エイズ対策実用化研究事業における令和5年度課題評価結果について

令和5年度「エイズ対策実用化研究事業」の事後評価結果を公表します。

事後評価

1.事後評価の趣旨

事後評価は、課題等について、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開および事業等の運営の改善に資することを目的として実施します。

エイズ対策実用化研究事業(以下、本研究事業)では、課題評価委員会を以下の日程で開催し、本研究事業における事後評価の評価項目に沿って、評価対象課題別に書面審査・ヒアリング審査にて事後評価を実施しました。

2.事後評価委員会

開催日:令和6年1月28日

3.事後評価対象課題

      
開始
年度
(令和)
終了
年度
(令和)
研究開発
代表者名
所属機関名 役職 研究開発課題名
3 5 俣野 哲朗 国立感染症研究所 副所長 HIV粘膜感染防御ワクチンに関する研究開発
3 5 立川 愛 国立感染症研究所 室長 HIV根治に向けた新規免疫細胞療法に関する研究
3 5 大森 司 自治医科大学 教授 HIV関連病態である血友病の豊かな未来を目指した画期的治療法・診断法の創出
3 5 照屋 勝治 国立国際医療研究センター ACC科医長 ART早期化と長期化に伴う日和見感染症への対処に関する研究
3 5 河合 剛太 千葉工業大学 教授 HIV多機能分子が制御する新規感染機構の根幹構造の解明
3 5 佐藤 佳 東京大学 教授 HIV感染症の根治治療に資する多階層基礎研究基盤の創出
3 5 山本 拓也 医薬基盤・健康・栄養研究所 プロジェクトリーダー 免疫学的リンパ組織解析に基づくHIV感染症治癒戦略の構築
3 5 横山 勝 国立感染症研究所 主任研究官 HIV-1エンベロープ蛋白質の進化的脆弱部位の構造・機能の解明と創薬シーズ探索
3 5 久世 望 国立感染症研究所 主任研究官 完治療法に有効な細胞性免疫の解析とその誘導法の開発
3 5 高橋 尚史 熊本大学 助教 HIV潜伏感染ミクログリアモデルの作製と応用
3 5 辻 耕平 東京医科歯科大学 准教授 CD4 mimic分子によるgp120構造変化を起点とする新規抗HIV剤の創製研究
3 5 本園 千尋 熊本大学 准教授 HIV感染細胞の異常を感知するヒト自然免疫型T細胞の同定
(順不同)

4.事後評価委員

氏名 所属・役職
味澤 篤 東京都立駒込病院 感染症科非常勤
今村 知明 奈良県立医科大学公衆衛生学講座 教授
遠藤 知之 北海道大学病院血液内科 診療准教授
神奈木 真理 関西医科大学医学部微生物学講座 客員教授
鍬田 伸好 国立国際医療研究センター研究所難治性ウイルス感染症研究部レトロウイルス感染症研究室 室長
杉浦 亙
国立国際医療研究センター臨床研究センター センター
谷 裕美子 元・株式会社バイオジェン・ジャパン 元・メディカル本部長
横野 恵 早稲田大学社会科学部 准教授
横幕 能行 〇 国立病院機構名古屋医療センターエイズ総合診療部 部長
〇:委員長(五十音順、敬称略、令和6年1月28日現在)

5.評価項目

  1. 研究開発達成状況について
  2. 研究開発成果について
  3. 実施体制
  4. 今後の見通し
  5. HIV/エイズ対策の推進
  6. 研究を終了するにあたり確認すべき事項

6.総評

治療薬の進歩により、HIVに感染しても致死的状況を回避できるようになりましたが、HIV感染症自体は治癒することはなく、HIV感染の治療には長期の薬剤服用が必要であり、薬剤耐性ウイルスの出現、感染者のQOLの向上や医療経済上の負担軽減の観点から、治癒を目指した研究が重要な課題となっています。この課題を克服するため、本研究事業では、感染機構の解明等の基礎研究から実用化研究まで、HIV感染症の根本的解決につながるHIV感染症の根治療法に資する研究を推進しています。また、HIV感染症の関連病態の解析も推進しています。

評価委員会では、令和5年度に終了する12課題を対象としました。総合評点の結果は、1課題が大変優れている、8課題が優れている、3課題が良いと評価されました。
大変優れていると評価された課題は、HIV関連病態である血友病の豊かな未来を目指した画期的治療法・診断法の創出でした。

掲載日 令和6年4月5日

最終更新日 令和6年4月5日