医薬品研究開発課 AMED-FLuX 創薬ガイドブック(Ver.1.0)―Q&Aナレッジ集―

はじめに

アカデミア創薬を進める上で、産学の連携を阻む要因として、シーズ探索を主に担うアカデミアのカルチャーと後半の実用化部分を担う企業のカルチャーとの間の分断が問題意識として認識されております。この分断解消を目的に、アカデミアと企業の架け橋となり、相互理解のための対話の場として生まれたのがAMED-FLuXです。

AMED-FLuXでは、2021年5月の創設以降、約3年間に渡って、28件のAMED委託課題を取り上げて参りましたが、その質疑応答の中で、のべ44名の企業有識者(アドバイザー)から(2024年3月末現在) 、非常に多様かつ的確なご助言(コメント)を頂戴し、附議された課題のその時々の創薬課題を解決し、その後の創薬研究の道筋を明確にすることに役だって参りました。

一方で、私ども事務局には、附議された全課題の膨大かつ良質のコメントが蓄積されてきており、事務局の元に死蔵・休眠させておくのではなく、積極的な活用の手立てはないものかと模索して参りました。

そんな中、この度、これらコメントの中から、特定の附議課題に限定されない共通のナレッジを抽出し、広く一般のアカデミアに公開することで、創薬研究を志す研究者の皆様の日々の助けとなり、創薬研究の効率化、加速化、適正化に寄与し、ひいては、実用化を担う企業との連携促進や社会実装の確度を高めることにつながることを期待し、創薬ガイドブックの運用を思い立ちました。

幸いなことに、附議いただいたアカデミアの先生方、AMED-FLuX創設以来、ご協力を賜って参りましたアドバイザーの皆様、製薬協様からもご賛同いただき、「広く公開して日本のアカデミア創薬研究の底上げに役立ててほしい。」と背中を押していただきました。

まずは、がん領域の少数課題からのナレッジ集としてスタートし、その後、がん領域の他のモダリティーやがん以外の他の疾患領域まで拡充していく計画です。す。

AMEDの使命は、「アカデミアの創薬シーズから革新的な医薬品を創出し、一日も速く患者さんやご家族の元にお届けする」ことです。

この創薬ガイドブックが、その一助となれば幸いです。

2024(令和6)年3月 AMED-FLuX事務局

使用上の注意

  • 本ガイドブックは、AMED-FLuX会議でアカデミア研究者から出された質問に対するFLuXアドバイザーの回答をまとめたものです。
  • 相談したい項目を選んでからQ&Aをお読み下さい。選ばない場合には適切なQ&Aが表示されないことがあります。
  • 各Q&Aの冒頭に、疾患領域及びモダリティ(赤字)と創薬に関して頻出する質問を記載し、続けてFLuXアドバイザーの回答を記載してあります。
  • 企業により戦略や考え方の違いがあるので、Q&Aにはある程度の重複や相反する意見も許容して記載しています。
  • 研究ステージによっては、回答のとおりアカデミアで対応することが必ずしも必須ではない場合や企業と共同で行うべき内容も含まれています。そのような場合には冒頭に<N2H>(Nice to Haveの略語)と記載してあります。
  • 創薬ガイドブックが最終的に目指すのは、アカデミアの研究者が創薬研究を行う上で気をつけるべきガイドラインの提供ですが、初版は、がん領域の低分子医薬品、核酸医薬品を対象としたQA集としてまとめてあります。
  • 初版に続いて、他のモダリティ、他の疾患領域についても、今後順次アップデートしていく予定です。

以上のことをご理解の上、ご活用いただけると幸いです。

本ガイドブックの使い方

使い方

相談項目

①創薬標的分子の探索・検証、バイオマーカー、スクリーニング

②非臨床試験(薬効薬理、安全性、代謝・薬物動態等)

③構造最適化、DDS、製造

④研究計画

⑤臨床開発(医師主導治験)

⑥知財取得

お問い合わせ先

宛先 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
創薬事業部 医薬品研究開発課
Tel 03-6870-2219
E-Mail flux”AT”amed.go.jp
備考

※E-mailは上記アドレス”AT”の部分を@に変えてください。

最終更新日 令和6年3月27日