医薬品研究開発課 ④研究計画

TPP

  • Q

    【がん】【全モダリティ共通】
    先行品や他のモダリティの薬との優位性を示すためには?

    A

    患者ベネフィットを意識したTPPを作成する

    • 将来患者さんにとってベネフィットを与えることができる薬剤プロファイル(Target product profile:TPP)を設定することが先決である。それをもとに、どのような差別化・優位点を示すデータが必要かを検討し、具体的な試験計画に落とし込む。先行薬との直接比較試験のデータを収集できるとなお良い。暫定版でも良いので、考えを示すことがアカデミア、企業双方の気づきになる。
    • 先行薬によって満たされないニーズは何かを知り、想定する適応疾患での治療体系の中で、どのような位置づけの薬剤となるかをTPPを作成して整理する。
    • 先行薬の状況や標的分子のサイエンスも変化しうる(完治を目指せるようになるなど)ため、TPPは状況に応じて見直す必要がある。

薬効

  • Q

    【がん】【核酸医薬】
    先行品や他のモダリティの薬との優位性を示すためには?

    A

    がん退縮可能な抗腫瘍効果があることを示す

    • 標的遺伝子のノックダウンにより、in vitroでがん細胞増殖が抑制され、細胞死が誘導されることを示す。また、in vivoの抗腫瘍試験により高い腫瘍増殖抑制効果が認められることが大事である。
    • 動物モデルでがん退縮が認められないと臨床効果は期待できない。
  • Q

    【がん】【全モダリティ共通】
    創薬コンセプトが正しいことを示すためには? 先行品や他のモダリティの薬との優位性を示すためには?

    A

    様々ながん細胞を用いて標的分子の発現量や活性化(リン酸化など)を解析する

    • 臨床検体の解析から適応がん種を選定し、細胞株で検証する。
    • 標的妥当性と閾値設定の観点で、正常細胞も追加した方が良い。
    • 解析する細胞数を増やすとともに、オミックスも並行して解析することが望ましい。
    • DepMapなど既にある様々なデータベースも精査する。
    • 耐性株の解析、併用薬での効果等も検証することで治療薬開発につながるかどうかの見通しを立てやすくなる。
  • Q

    【がん】【全モダリティ共通】
    創薬コンセプトが正しいことを示すためには?

    A

    標的分子をノックダウン/ノックアウトにより阻害する

    • 様々ながん細胞でノックダウンし、増殖抑制を解析することで、依存度の高いがん(適用がん種)を見出せる。
    • 有効ながん種をスクリーニングした後、適用がん細胞での発現・活性化状態を調べつつ、阻害剤を添加してin vitro活性を確認するのが良い。
    • 上記に加え、正常細胞に標的遺伝子を導入し過剰発現させることで、がん化形質(足場非依存的増殖能)を獲得することが証明されれば、より強固な標的検証にもなる。
    • siRNAだけでなく、コンディショナルなノックダウンや、CRISPRの系を用いることもオプションの一つである。
  • Q

    【がん】【全モダリティ共通】
    創薬コンセプトが正しいことを示すためには?

    A

    適用がん種を見極めるために標的分子の阻害活性を確認する

    • ただし、選択性が高く、活性の高い(セルフリーや細胞系のin vitroであれば、IC50などの指標でpM、nMオーダー)阻害剤を獲得後での検討事項となる。
    • in vitroとin vivoでの薬効に十分な相関がみられることを確認することも大事である。
    • 阻害剤での検証はオフターゲット作用も加わるため、ミスリードしないためにも標的ノックダウンを併せて実施することを推奨する。
    • 樹立がん細胞株と実際の臨床がん細胞は大きく性質が異なるため、遺伝子背景や既知の性質を熟慮し適切な細胞株を利用することが重要である。臨床がん細胞から作製した各種がんオルガノイドに阻害剤で処理し感受性のあるがん種を見つける方法も臨床への橋渡しを考えると有効な方法になる。
  • Q

    【がん】【全モダリティ共通】
    創薬コンセプトが正しいことを示すためには?

    A

    組織検体で標的分子の発現量や活性化(リン酸化など)を解析する

    • 平面培養した細胞によるデータだけでなく、3次元培養もしくは組織検体を用いた解析を実施するのが理想的である。担がん動物でのがん組織への阻害剤効果を検討出来ればなお良い。
    • 臨床がんでの標的分子の発現量とステージや予後との関連性解析は重要である。  
  • Q

    【がん】【低分子】
    企業導出を進めるために、企業がアカデミアに期待していることは?

    A

    同一作用機序で作用する他の骨格候補取得にも目を向ける

    • 好ましい薬効プロファイルを示す化合物があると研究がそこに集中化(期待)しがちだが、一つのケモタイプに賭けて後で期待を裏切られることは創薬プロセスでは日常茶飯事であり、選択肢を広げることも検討した方が良い。
    • 一方、メドケム担当者の経験値によって上記のような失敗は減らすことができる。また、物性改善や毒性軽減のための構造変換に関する計算化学的手法が多数報告されており、そういった報告を参考にするのも1つの方向性である。

優位性

  • Q

    【がん】【全モダリティ共通】
    先行品や他のモダリティの薬との優位性を示すためには?

    A

    アンメットメディカルニーズを踏まえた研究を実施し、競合品に対して差別化する

    • 先行品の特徴を詳細に解析し改善点を見出した上で、明確な差別化ポイントを示すことが肝要である。
    • 競合品が既にある場合は、単に薬剤活性が高い(用量の低減)ということでは不十分で、薬効プロファイルの差別化を行わないと開発は困難である。
    • 将来患者にどのようなベネフィットが期待できる薬剤となるかをデータとして提示する。現在あるいは将来の治療体系の中でどのような位置づけの薬剤となるかがイメージできることが大事である。
  • Q

    【がん】【全モダリティ共通】
    先行品や他のモダリティの薬との優位性を示すためには?

    A

    圧倒的な競合優位性・差別化データを示す

    • 既存薬との差別化について勝ち目があるデータを示すことが大事である。圧倒的な切れ味で薬効が出ることが重要であり、head-to-head の比較試験は必須となる(開発中の先行品であれば開発中止になる場合もあるので、比較試験は必ずしも必須ではない)。
    • 安全性も含め、患者にとって他社先行品より高い価値を有する競合優位性を示す必要がある。
    • アカデミア創薬の場合は最終開発品まで至っていなくても、開発可能であることを示唆する説得力のあるデータを示すことにより企業との共同研究も可能になる。

バイオマーカー

  • Q

    【がん】【全モダリティ共通】
    創薬コンセプトが正しいことを示すためには?

    A

    標的分子依存度の高いがん細胞に共通してみられる遺伝子変異、遺伝子発現、あるいは翻訳後修飾(リン酸化など)があれば感受性マーカーとして利用できる可能性がある

    • 標的分子の発現量が高い細胞とノックダウンした細胞でのマルチオミクス解析により変動因子を探索する。メカニズムベースで変動が見られそうな分子から当たりをつけるやり方と平行して進めるのが良い。
    • まずはin vitroで当たりを付けるが、患者サンプルが入手可能であれば、並行して探索するのも良い。患者サンプルについては薬剤治療後、耐性化したものが入手可能であれば、検討価値が高い。多様な臨床試料を用いた解析は臨床マーカーの候補創出に必須である。
    • 阻害剤に対する高感受性株を用いて耐性株を樹立し比較・解析する手法も考えられる。
  • Q

    【がん】【低分子】
    先行品や他のモダリティの薬との優位性を示すためには?

    A

    患者選択まで想定した計画を立案する

    • 患者リクルートが比較的容易であることが望ましい。臨床試験ではバリデーションレベルが高い手法が必要であるため、IHCなどのCRO等でも実施可能な簡便な方法という点も重要になる。
    • そのメカニズムから最も効果を発揮する患者を選択できるバイオマーカー候補をアカデミア側(標的やメカニズムを提案する立場)から提示することが強く望まれる。

安全性

  • Q

    【がん】【全モダリティ共通】
    安全性の高い薬を作るためには?

    A

    薬効と安全性の乖離を示すマージンを示す

    • 実際に臨床試験を開始するためにはどの程度の用量で有効性を示しそうか、また、最終的に薬効と安全性が乖離ができそうかということを示すデータが必要である。
    • この部分は、製薬会社の得意とするところなので、薬効スペクトラムなどのデータも含め企業と相談していくと良い。

標的疾患の拡充

  • Q

    【がん】【低分子】
    企業導出を進めるために、企業がアカデミアに期待していることは?

    A

    まずは開発候補がん種選定などがん領域に集中し、アンメットメディカルニーズを満たす治療効果が期待できる疾患を適切に選ぶべきである

    • 着目している標的が、がん細胞以外の病態に繋がる場合にはその疾患領域への応用は可能だが、抗腫瘍効果が期待できる成果が出ているのであれば、がん領域での開発を先行することを考える。
    • がん領域は他疾患と比較して臨床試験の期間が短く、早期にヒトでの薬効試験結果が出る。
    • 抗がん剤であれば最小要求はtherapeutic index ≧ 1であるが、もし、抗がん剤以外を指向する場合には、安全性のマージンはより広くないと厳しい。

適用拡大

  • Q

    【がん】【低分子】
    先行品や他のモダリティの薬との優位性を示すためには?

    A

    適用拡大の可能性がある場合は検討する

    • 希少がんに応用できる可能性が有る場合は、オーファンドラッグ指定による優先審査や高薬価の可能性があり、優先順位を上げると良い。
    • 適用拡大は化合物の承認後には必要だが、まずは最初の作業仮説が検証できるかどうかに絞ることが望ましい。
    • 将来の適応拡大の可能性を考えて、標的分子、作用機序から考えて対象がん種が広がる可能性がある場合には、対象がん種とアンメットメディカルニーズを調査しておくと良い。

併用

  • Q

    【がん】【核酸医薬】<N2H>
    併用薬としての開発を考えている場合に考慮すべきことは?

    A

    併用療法データを可能な範囲で収集する

    • まずは単剤での用量反応性や最大薬効について評価を行い、単独でどの程度の有効性を期待できるのか早期に手応えを掴んでから、併用の検討に入るのが良い。
    • 既存薬とは異なる作用プロファイルを有するため、併用療法が有効となる可能性がある。既承認薬との組み合わせが、既存の組み合わせと比較し、どのようながんであれば有効性が高いか。既存治療方法と差別点を見出せると良い。従って、上市されている治療薬(抗がん剤、免疫チェックポイント阻害薬や血管新生阻害剤など)との併用により、転移性のがん種などに対する治療効果増強が示されると有望なシーズとなりうる。薬剤ポジショニングまで考察できているとなお良い。
  • Q

    【がん】【全モダリティ共通】
    併用薬としての開発を考えている場合に考慮すべきことは?

    A

    併用療法のストーリーを描く

    • 現在の抗がん剤開発はレジメンの開発であり、単剤ファーストライン以外は併用が前提になる。シーズが奏功しやすい変異などが明らかになれば自ずと併用薬も決まってくるので、メカニズムベースで併用意義を示すことが望ましい。
    • がん種により効果がある、もしくは使用される薬剤が異なるため、がん種を拡大して検討した上で、併用薬の検討に移行した方が良い。PDXモデルを用いる場合は、既存薬耐性モデルで効果を示すかは検討事項の1つになる。
  • Q
    【がん】【低分子】<N2H>
    併用薬としての開発を考えている場合に考慮すべきことは?
    A

    併用薬を目指す開発は単剤と比較してハードルが高いため、専門家に相談しながら進める

    • 安全マージンの設定など併用薬に依存すると想定される場合にはTPPを定めることが難しいため、薬剤併用を必要としないパスウェイを解析し新たな創薬標的を同定することが実用化に近くなる。
    • もし併用で進める場合には、併用での薬効評価の他に、安全性や薬物動態の考察も必要となり、ヒトへの外挿性も単剤よりもより難しくなることから、専門家と相談しながら進めることが望ましい。
    • 既に市販されている薬剤との併用で進める場合には、その薬剤を販売している製薬企業との共同研究を進めるのが良い。
    • 上市されていない(臨床開発がなされていない)薬剤同士の併用薬開発は基本的に不可能である。

企業ニーズ

  • Q

    【がん】【低分子】
    企業導出を進めるために、企業がアカデミアに期待していることは?

    A

    ニーズは企業側の事情により様々であることを理解する

    • 製薬企業側のニーズは必ずしも固定しておらず、財務状況や事業戦略にも左右される(適応疾患や疾患領域をある程度限定していることが多い)。
    • 非常に早期のユニークな標的分子が同定された時点~臨床にある程度外挿可能なPOCが得られた時点~開発候補物質の目途がついている、など、ニーズとシーズのマッチングのタイミングは様々である。
  • Q

    【がん】【低分子】
    企業導出を進めるために、企業がアカデミアに期待していることは?

    A

    アカデミアにしかできない研究によりデータを取得する

    • 薬効と言うよりは、ターゲット確実性を徹底的に証明するデータが最も重要。薬効はPDXモデルがあれば望ましいが、通常のゼノグラフト(xenograft)でも良いので企業に相談するのが良い。
    • その標的が(論文のためではなく真に)科学者として自信をもって効くといえるデータを獲得すべきである。
    • 臨床におけるPOM~POCが見通せる非臨床試験成績、新しい考え方/ユニークな標的で、臨床での未解決課題を解決できることが見通せる成績を示すことが重視される。
    • 製薬企業がアカデミアに期待するところは、アカデミアでしかできない研究を徹底的に突き詰めることである。企業ができない、アクセスしにくい試料、技術を利活用して事業化を目指せるシーズ創出、ないしその技術自体に期待しており、アカデミアによるシーズ標的検証後は、企業が創薬研究を実施すべきである。

企業導出

  • Q

    【がん】【核酸医薬】<N2H>
    企業導出を進めるために、企業がアカデミアに期待していることは?

    A

    導出先候補として核酸創薬に着手している企業にコンタクトする

    • 製造面でのナレッジが必要なので核酸医薬を製品化もしくは開発中の企業が候補となるが、企業の多くは核酸医薬に着手している。
    • 販売額が大きながん治療薬を有する企業は魅力ある共同研究先を探している。ASOによる標的分子抑制との併用効果を期待し高い評価をする可能性がある。
    • ある程度、医薬品として開発が進み、薬効が十分にあるのであれば、核酸医薬に関して経験が無い企業でも興味を示す可能性があるが、大手製薬企業は技術的に突出したシーズでないと導入しないため、ベンチャー企業も含め相談するのが良い。
    • DDSを活用する場合には、核酸医薬品のDDSに関する特許、製品を有する企業が導出候補先になる。
  • Q

    【がん】【低分子】
    企業導出を進めるために、企業がアカデミアに期待していることは? 先行品や他のモダリティの薬との優位性を示すためには?

    A

    がん治療では、「効果の強さ・切れ味」×「効果発現する患者の割合」(×「副作用軽減・件数削減、コンプライアンス改善」)を如何に最大化していくか?という視点を持つ

    • 企業への相談時には上記のうちどのポイントが改善されるポテンシャルがあるのか、ユニークなのかを主張できるデータを示すことが極めて大切になる。
    • 既存薬と比較し、臨床での差別化を期待できるだけのin vivoの直接比較データを取得する。
  • Q

    【がん】【全モダリティ共通】
    企業導出を進めるために、企業がアカデミアに期待していることは?

    A

    早い段階で企業との協業を行うことが、医薬品創出の近道である

    • 製薬企業との役割分担を考えて協業を行うことがより良い選択肢であり、できるだけ接点を増やせるように宣伝することも必要である。
    • 早期臨床試験に関しては、既存薬の適応拡大であれば、製造元企業の支援を受けて、アカデミア側で医師主導治験などを実施し候補品の価値を高めた後で導出を行うことも可能である。
    • アカデミアと製薬会社の一番の違いは創薬経験である。特に、薬物動態や安全性試験のパッケージの考え方や各種レギュラトリー対応(当局対応)などは経験がないと難しい。
    • 臨床試験が小規模で行える疾患を選定し、主要学術誌に細胞・動物実験で著名な効果を示し、臨床試験を含めた実用化までのシナリオを提示していくことが、企業連携での主導権維持に大切である。
    • 創薬の実現化には、論文化を先送りにする、あるいは、あきらめるという割り切りも時には必要である。
    • スタートアップの立ち上げに時間をとられるようであれば、最初から製薬企業と組んだ方が良い。創薬において重要なのは今苦しんでいる患者にできるだけ早く薬を届けることである。
  • Q

    【がん】【全モダリティ共通】
    企業導出を進めるために、企業がアカデミアに期待していることは?

    A

    創薬部分は製薬会社に任せ、アカデミアでは企業があまり力を入れていない基礎的な研究に専念するという考えもある

    • 協業のタイミングは重要。大学と企業のマッチングイベントもたくさんあるので研究成果を宣伝すると良い。コンタクトした企業に対し、ノンコンレベルでアップデートを知らせるなどの方法が有効である。
    • 意外性のあるモダリティーの提案が可能であれば魅力的である。モダリティーは海外からのアイデア導入・流入が多く、国内発の新規モダリティーに関して聞くことは少ない。
  • Q

    【がん】【低分子】
    企業導出を進めるために、企業がアカデミアに期待していることは?

    A

    共同研究、導出それぞれに応じて求められるデータを収集しておく

    • 一般論としては、大学側が企業に何(お金・ヒト・設備・ノウハウなど)を求めるかによって変わってくる。共同研究レベルであれば独創的であり有効性、安全性の基礎データが有れば良い。導出になるとライセンス料、ロイヤルティの設定にもよるが、GMPGLP、少なくとも信頼性基準に基づくデータ、例えば安全性を担保するデータ、類薬との比較データ、優越性・差別点を示すデータが必要である。
    • いずれの場合も、先ず確かなin vitroデータが必要になる。バリデートされたin vivoモデルでの結果(その時の血中濃度測定は必須である。腫瘍内濃度、フリー体濃度の算出が望ましい)及び、簡易的な安全性データ(毒性で有効性が見られていないか)を示す。
    • 標的分子⇒vitro POM(下流シグナル変化)⇒vitro POC(がんならば、細胞増殖)⇒ vivo 層別化(recruitマーカー)⇒ vivo PD・POM(surrogateマーカー)⇒vivo POC(薬効)のストーリーをきちんと説明できることが必要である。
    • 精密合成展開が必要な場合は、できるだけ早急に製薬企業と共同研究に入るべきである。
    • 導出の場合、デューデリジェンス時に企業側もコンセプトを確認するために候補化合物の効果を内部評価するため、ポジティブデータに加えネガティブデータも提示することが大事である。また、ポジティブデータの再現性を確認すること、ネガティブデータに関しては、その原因および対策が示されていることが肝要である。

起業

  • Q

    【がん】【全モダリティ共通】
    起業して薬を作る際に考慮することは?

    A

    起業は可能だが、問題は資金調達、医薬品製造である

    • 出資者が見出せるのであれば、スタートアップを立ち上げるのが良いのは、言うまでもない。ただし、起業のタイミングと体制(人材)は見極める必要がある。また、起業した場合、ベンチャーキャピタル(VC)など複数の会社に権利が分散するのでパートナリングを考える企業としてはやりにくい面もある。
    • 製造については、製造受託会社(CMO、CDMO)も増えているが、安定供給、品質確保、副作用対応などを考えると、アカデミア単独での上市は難しいため、この点からも起業を行い、VC等からの資金を調達する必要性がある。
    • 起業をしても大学が知財を保有し続ける場合は、アライアンスは難しさが増す。大学側との権利の整理が重要である。