医薬品等規制調和・評価研究事業 医薬品等規制調和・評価研究事業における令和6年度終了課題 事後評価結果について
1.事後評価の目的
医薬品等規制調和・評価研究事業では、研究開発課題等について、研究開発の実施状況、成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業の運営の改善に資することを目的とする。
2.評価概要
令和6年度に終了した35課題に対して、事後評価を行った。研究班から提出された事後評価報告書について、書面審査及びヒアリング審査を行い、課題評価委員会において総合評価を決定した。
課題評価委員会 開催日:令和7年8月19日(火)
課題評価委員: 令和6年度終了課題評価委員会 委員名簿
3.評価項目
審査の評価項目は、次のとおりとする。
①研究開発達成状況
- 研究開発計画に対する達成状況はどうか
②研究開発成果
- 当初計画していた成果が着実に得られたか
- 成果は社会的ニーズへ対応するものであるか
- 成果は医療分野の進展に資するものであるか
- 成果は新技術の創出に資するものであるか
- 必要な知的財産の確保がなされたか
③実施体制
- 研究開発代表者を中心とした研究開発体制が適切に組織されていたか
- 十分な連携体制が構築されていたか
- 必要に応じ、規制当局・関係者等との連携がなされていたか
④今後の見通し
- 今後、研究開発成果のさらなる展開が期待できるか
⑤事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
- 規制への反映が期待されるものか(ガイダンス案、標準的評価法等の策定につながるものか)
- 生命倫理、安全対策に対する法令等を遵守していたか
- 若手研究者のキャリアパス支援が図られていたか
- 専門学術雑誌や学会での発表、ガイドライン案のパブリックコメントへの協力など、科学技術コミュニケーション活動(アウトリーチ活動)が図られていたか
⑥総合評価
- 上記の評価項目①~⑤を勘案しつつこれらと別に評点を付し、総合評価をする。
本事業はレギュラトリーサイエンス研究であることに鑑み、規制と密接に関連する評価項目①、③及び⑤を重視して総合評点を付する。
4.評価結果一覧
令和6年度終了課題
※課題管理番号順
研究開発課題名 | 代表者 | 所属機関 | 役職 | 事後評価報告書 (要旨) |
---|---|---|---|---|
エクソソーム製剤の品質管理戦略構築に関する研究 | 石井 明子 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 部長 | ダウンロード |
脱細胞化組織を利用した医療機器の品質及び安全性評価法の開発に関する研究 | 野村 祐介 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 室長 | ダウンロード |
医薬品の品質水準の効率的確保に向けた日本薬局方の新規試験法と国際調和の検討 | 伊豆津 健一 | 学校法人国際医療福祉大学 | 教授 | ダウンロード |
医療用医薬品の生物学的同等性評価手法の開発とガイドラインの国際調和に関する研究 | 吉田 寛幸 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 室長 | ダウンロード |
生体模倣システム(MPS)の新規ヒト型in vitro医薬品評価法としての規格化、国際標準化に向けた基盤整備に資する研究 | 石田 誠一 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 客員研究員 | ダウンロード |
医薬品等の安全性評価に用いる動物試験代替法の開発、評価及び標準化に関する研究 | 足利 太可雄 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 室長 | ダウンロード |
新規モダリティワクチン製剤に対する有効性・安全性評価法開発に資する免疫学的研究 | 松村 隆之 | 国立感染症研究所 | 室長 | ダウンロード |
PDXモデルを用いた創薬開発研究における課題整理と標準化に関する研究 | 柳下 薫寛 | 国立研究開発法人国立がん研究センター | 主任研究員 | ダウンロード |
心筋組織機能評価用新規デバイスを用いた医薬品安全・有効性評価 | 劉 莉 | 国立大学法人大阪大学 | 特任教授(常勤) | ダウンロード |
向精神薬が自動車運転技能に与える影響の判定基準の開発 | 岩本 邦弘 | 国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学 | 准教授 | ダウンロード |
医薬品副作用に関する医療機関報告の質の向上推進に関する研究 | 小原 拓 | 国立大学法人東北大学 | 准教授 | ダウンロード |
緊急的な状況における薬事行政と市民の相互理解に寄与するコミュニケーション法の検討 | 北村 温美 | 国立大学法人大阪大学 | 特任准教授(常勤) | ダウンロード |
新規モダリティ医薬品等の開発のための生物由来原料基準の更新に資する研究 | 佐藤 陽治 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 部長 | ダウンロード |
医薬品安全性評価の迅速化・高精度化に資する非臨床試験毒性用語の標準化とデータベース構築 | 高橋 祐次 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 室長 | ダウンロード |
医薬品の承認審査における臨床成績評価等の薬事手続きに資する医療情報データベース等の利活用に関する研究 | 中村 治雅 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター | 部長 | ダウンロード |
医薬品不純物の効率的なリスク評価に資する管理閾値の設定に関する研究 | 広瀬 明彦 | 一般財団法人化学物質評価研究機構 | 技術顧問 | ダウンロード |
医療機器不具合用語集のシグナルディテクションへの適用とそれを支援するツール群の研究開発 | 横井 英人 | 国立大学法人香川大学 | 教授 | ダウンロード |
脳腫瘍領域における臨床評価手法に関するレギュラトリーサイエンス研究 | 渡邉 真哉 | 国立大学法人筑波大学 | 講師 | ダウンロード |
in vivo遺伝子治療における患者検体を用いたAAVベクター由来遺伝子治療用製品の品質・有効性・安全性評価系の開発 | 小野寺 雅史 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター | センター長 | ダウンロード |
医療施設における標準コードの効率的なマッピング手法に関する調査および実証研究 | 中島 直樹 | 国立大学法人九州大学 | 教授 | ダウンロード |
バイオ後続品の品質安全性確保と国際規制調和の推進のためのレギュラトリーサイエンス研究 | 斎藤 嘉朗 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 副所長 | ダウンロード |
統合的な試験と評価のアプローチによる新医薬品の環境リスク評価フレームワークの開発に関する研究 | 山田 隆志 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 室長 | ダウンロード |
AIを利用した医療機器プログラムの市販後学習時の性能評価に資する研究 | 中岡 竜介 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 室長 | ダウンロード |
重篤副作用患者由来iPS細胞バンクの構築に向けたフィージビリティ研究 | 中村 亮介 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 客員研究員 | ダウンロード |
アカデミアにおけるCDISC標準利用促進に関する研究開発 | 齋藤 俊樹 | 独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター | 部長 | ダウンロード |
小児医薬品等の早期実用化と国際連携に資するレギュラトリーサイエンス研究 | 中村 秀文 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター | 開発企画主幹 | ダウンロード |
医薬部外品・化粧品とその原料中の不純物及び配合禁止物質等の試験法と規格基準に関する研究 | 内山 奈穂子 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 部長 | ダウンロード |
医療機器の情報共有による患者中心の医療イノベーションに関する研究 | 近藤 昌夫 | 国立大学法人大阪大学 | 教授 | ダウンロード |
アドバンストマテリアルを利用した医薬品・医療機器等の安全性評価に資する研究 | 大野 彰子 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 主任研究官 | ダウンロード |
iPS心筋と人工知能を用いた心不全誘発リスク評価システムの開発 | 間木 重行 | 学校法人東邦大学 | 助教 | ダウンロード |
icHep細胞を用いた胆汁中排泄過程の評価システムの構築 | 荒川 大 | 国立大学法人金沢大学 | 准教授 | ダウンロード |
医薬品開発段階におけるバリデーション高度化を目指す対照化合物選定システムの開発 | 水野 忠快 | 国立大学法人東京大学 | 助教 | ダウンロード |
患者報告アウトカムの取得率及び信頼性向上のためのガイドライン案策定 | 小早川 優子 | 国立大学法人九州大学 | 助教 | ダウンロード |
シグナルかく乱作用に基づく新規ヒト発生毒性試験法による核酸医薬品の安全性評価 | 大久保 佑亮 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 室長 | ダウンロード |
アジア人を対象にしたファーマコゲノミクス情報の利用における医薬品添付文書への情報反映方法に関する研究 | 田中 庸一 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 室長 | ダウンロード |
総評
課題評価委員会において、今回の事後評価の対象である35課題は概ね「総合的に計画した成果が得られた」と評価されたが、一部、計画した成果目標に到達していない部分があると評価された課題もあった。
事後評価結果と評価委員より出された意見については、研究開発代表者にフィードバックした。
最終更新日 令和7年10月9日