規制科学推進課 医薬品等規制調和・評価研究事業における令和5年度終了課題 事後評価結果について

1.事後評価の目的

医薬品等規制調和・評価研究事業では、研究開発課題等について、研究開発の実施状況、成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業の運営の改善に資することを目的とする。

2.評価概要

令和5年度に終了した31課題に対して、事後評価を行った。研究班から提出された事後評価報告書について、書面審査及びヒアリング審査を行い、課題評価委員会において総合評価を決定した。

課題評価委員会 開催日:令和6年7月31日(水)

課題評価委員: 令和5年度終了課題評価委員会 委員名簿

3.評価項目

審査の評価項目は、次のとおりとする。

①研究開発達成状況

  • 研究開発計画に対する達成状況はどうか

②研究開発成果

  • 当初計画していた成果が着実に得られたか
  • 成果は社会的ニーズへ対応するものであるか
  • 成果は医療分野の進展に資するものであるか
  • 成果は新技術の創出に資するものであるか
  • 必要な知的財産の確保がなされたか

③実施体制

  • 研究開発代表者を中心とした研究開発体制が適切に組織されていたか
  • 十分な連携体制が構築されていたか
  • 必要に応じ、規制当局・関係者等との連携がなされていたか

④今後の見通し

  • 今後、研究開発成果のさらなる展開が期待できるか

⑤事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目

  • 規制への反映が期待されるものか(ガイダンス案、標準的評価法等の策定につながるものか)
  • 生命倫理、安全対策に対する法令等を遵守していたか
  • 若手研究者のキャリアパス支援が図られていたか
  • 専門学術雑誌や学会での発表、ガイドライン案のパブリックコメントへの協力など、科学技術コミュニケーション活動(アウトリーチ活動)が図られていたか

⑥総合評価

  • 上記の評価項目①~⑤を勘案しつつこれらと別に評点を付し、総合評価をする。
    本事業はレギュラトリーサイエンス研究であることに鑑み、規制と密接に関連する評価項目①、③及び⑤を重視して総合評点を付する。

4.評価結果一覧

令和5年度終了課題

※課題管理番号順
研究開発課題名 代表者 所属機関 役職 事後評価報告書
(要旨)
RNA製品の品質・安全性評価法の確立 井上 貴雄 国立医薬品食品衛生研究所 部長 ダウンロード
医薬品の品質及び安全性確保のための評価手法等に係る国内基盤整備と国際調和の推進に資する研究 平林 容子 国立医薬品食品衛生研究所 センター長 ダウンロード
ヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いた抗がん剤の心毒性評価法の開発と国際標準化 諫田 泰成 国立医薬品食品衛生研究所 部長 ダウンロード
医薬品識別情報の国際規格の国内導入及び安全性確保等への活用に関する研究 佐井 君江 国立医薬品食品衛生研究所 主任研究官 ダウンロード
リアルワールドエビデンスの薬事制度化での利活用促進と国際規制調和に向けての課題整理と国内におけるあるべき体制の提言に向けた研究 中村 治雅 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 部長 ダウンロード
眼接触型医療機器の品質及び安全性評価手法の高度化に関する研究 山本 栄一 国立医薬品食品衛生研究所 部長 ダウンロード
マイクロニードルアレイ医薬品の合理的開発に向けた品質評価試験法に関する研究 伊豆津 健一 学校法人国際医療福祉大学 教授 ダウンロード
次世代バイオロジクスの品質安全性評価に関するレギュラトリーサイエンス研究 石井 明子 国立医薬品食品衛生研究所 部長 ダウンロード
細胞加工製品の非臨床安全性評価に関する試験法開発 佐藤 陽治 国立医薬品食品衛生研究所 部長 ダウンロード
ヒト幹細胞加工製品の原料としての幹細胞及び最終製品中の加工細胞の品質評価に関する研究 阿久津 英憲 国立研究開発法人国立成育医療研究センター 部長 ダウンロード
中分子ペプチド医薬品の品質及び安全性評価に関する研究 出水 庸介 国立医薬品食品衛生研究所 部長 ダウンロード
希少疾患の眼内悪性リンパ腫のリアルワールドデータを用いた医薬品の有効性・安全性の評価とガイドラインの作成 田岡 和城 国立大学法人東京大学 特任准教授 ダウンロード
生薬及び漢方製剤の品質評価試験法の開発及び標準化に関する研究 伊藤 美千穂 国立医薬品食品衛生研究所 部長 ダウンロード
免疫化学的測定法を基盤とした生薬及び漢方製剤の品質評価法の開発及び標準化に関する研究 坂元 政一 国立大学法人九州大学 准教授 ダウンロード
医薬品等の含有成分によるアレルギー発症防止のための評価手法開発に関する研究 矢上 晶子 学校法人藤田学園 藤田医科大学 教授 ダウンロード
先進的な医薬品品質管理・製造工程管理システムにおける品質評価手法の開発及び標準化に関する研究 坂本 知昭 国立医薬品食品衛生研究所 室長 ダウンロード
バイオ医薬品の先進的製造工程および品質管理におけるO型糖鎖不均一性評価法の開発 亀山 昭彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所 上級主任研究員 ダウンロード
先進的製造・品質管理及び評価手法を反映した医薬品のライフサイクルマネジメントに関する研究 柴田 寛子 国立医薬品食品衛生研究所 室長 ダウンロード
抗生物質の品質評価手法の開発および標準化に関する研究 鈴木 里和 国立感染症研究所 室長 ダウンロード
COVID-19等診断用核酸増幅検査薬(NAT検査薬)の信頼性確保に関する研究 築茂 由則 国立医薬品食品衛生研究所 室長 ダウンロード
歯科インプラントの荷重要件に関わる臨床評価に代替する非臨床評価法の確立 金髙 弘恭 国立大学法人東北大学 教授 ダウンロード
先進的分析法を用いた広範な医薬品等の微量不純物の管理に関する研究 山本 栄一 国立医薬品食品衛生研究所 部長 ダウンロード
エクソソーム医薬品の品質・安全性評価に関するレギュラトリーサイエンス研究 藤田 雄 学校法人慈恵大学 東京慈恵会医科大学 准教授 ダウンロード
医薬品開発の迅速化・高度化に資する「次世代型」雄性生殖毒性評価法の開発 横田 理 国立医薬品食品衛生研究所 主任研究官 ダウンロード
液体クロマトグラフ質量分析計を用いたPROTAC製剤off-target評価系の開発 渡部 昌 国立大学法人北海道大学 講師 ダウンロード
リアルワールドデータを用いた医薬品・医療機器・再生医療等製品等の承認申請を促進するために、AROに求められる体制整備の検討 松木 絵里 学校法人慶應義塾 慶應義塾大学 専任講師 ダウンロード
ゲノム編集を施したヒトiPS細胞由来肝細胞による肝細胞パネルの構築とその創薬応用 鳥羽 由希子 国立大学法人大阪大学 助教 ダウンロード
ゲノム編集技術とMPS技術を用いた初回通過効果予測モデルの構築 根来 亮介 学校法人立命館 立命館大学 助教 ダウンロード
中枢神経系に対する新規安全性薬理試験評価法に関する研究 関澤 信一 国立大学法人東京大学 准教授 ダウンロード
医薬品等の安全性予測評価に係る分子ネットワークパスウェイ解析に関する研究開発 田邊 思帆里 国立医薬品食品衛生研究所 主任研究官 ダウンロード
国内外のDecentralized Trial実施に当たっての課題及び対応策に関する研究 鹿野 真弓 学校法人東京理科大学 教授 ダウンロード

総評

課題評価委員会において、今回の事後評価の対象である31課題は概ね「総合的に計画した成果が得られた」と評価されたが、一部、計画した成果目標に到達していない部分があると評価された課題もあった。
事後評価結果と評価委員より出された意見については、研究開発代表者にフィードバックした。

最終更新日 令和6年9月5日