規制科学推進課 臨床研究・治験推進研究事業における令和4年度終了課題 事後評価結果について
1.事後評価の目的
研究開発課題等について、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業の運営の改善に資することを目的とする。
2.評価概要
令和4年度に終了した17課題に対して、事後評価を行った。研究班から提出された事後評価報告書について、書面審査及びヒアリング審査を行い、課題評価委員会において総合評価を決定した。
事後評価委員会
- 書面審査:
- 令和5年6月15日(木)~令和5年7月18日(火)
- ヒアリング審査・課題評価委員会:
- 令和5年8月4日(金)
- 課題評価委員:
- 課題評価委員一覧
3.評価項目
審査の評価項目は、次のとおり。
1. 研究開発達成状況
- 研究開発に対する達成状況はどうか
2. 研究開発成果
- 当初計画していた成果が着実に得られたか
- 成果は医療分野の進展に資するものであるか
- 成果は新技術の創出に資するものであるか
- 成果は社会的ニーズへ対応するものであるか
- 必要な知的財産の確保がなされたか
3. 実施体制
- 研究開発代表者を中心とした研究開発体制が適切に組織されていたか
- 十分な連携体制が構築されていたか
4. 今後の見通し
- 今後、研究開発成果のさらなる展開が期待できるか
5. 事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
- 成果の企業への導出や実用化につながることが見込まれるか
- 生命倫理、安全対策に対する法令等を遵守していたか
- 専門学術雑誌への発表並びに学会での講演及び発表など科学技術コミュニケーション活動(アウトリーチ活動)が図られていたか
6. 総合評価
- 臨床研究・治験推進研究事業における研究開発課題評価実施要綱のⅥ.3.に定める10段階評価により、上記の評価項目1~5を勘案しつつ、これらと別に評点を付し、総合評価をする。
4.評価結果一覧
令和4年度終了課題
※課題管理番号順
研究開発課題名 | 研究開発 代表者 |
所属機関 | 役職 | 事後評価報告書 |
---|---|---|---|---|
SCRUM-Japan GI-SCREEN基盤を活用した血液循環腫瘍DNAゲノムスクリーニングに基づくHER2遺伝子異常を有する固形がんに対するDS-8201aの医師主導治験 | 谷口 浩也 | 愛知県がんセンター病院 | 医長 | 事後評価報告書 |
重症全身性硬化症に対する骨髄破壊的大量シクロホスファミド療法および純化CD34陽性自己末梢血幹細胞移植術の開発 | 三苫 弘喜 | 九州大学 | 講師 | 事後評価報告書 |
脳出血超急性期患者への遺伝子組換え活性型第VII因子投与の有効性と安全性を検証する研究者主導国際臨床試験 | 豊田 一則 | 国立循環器病研究センター | 副院長 | 事後評価報告書 |
小児・AYAがんに対する国内開発のEZH1/2阻害剤の臨床開発(医師主導治験) | 小川 千登世 | 国立がん研究センター | 科長 | 事後評価報告書 |
脳梗塞急性期のアドレノメデュリン静注療法の確立 | 猪原 匡史 | 国立循環器病研究センター | 部長 | 事後評価報告書 |
RSウイルス感染による新生児、乳児及び幼児を対象としたパリビズマブの多施設医師主導治験の推進 (新規ハイリスク患者対象) | 森 雅亮 | 聖マリアンナ医科大学 | 教授 | 事後評価報告書 |
子宮内膜異型増殖症・子宮体癌妊孕性温存療法に対するメトホルミンの適応拡大にむけた多施設共同医師主導治験 | 三橋 暁 | 千葉大学 | 特任教授 | 事後評価報告書 |
患者レジストリ(Remudy)を活用した筋強直性ジストロフィーに対するエリスロマイシンの安全性及び有効性を検討する多施設共同プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験 | 中森 雅之 | 大阪大学 | 特任准教授(常勤) | 事後評価報告書 |
進行卵巣癌・卵管癌・腹膜癌に対する腹腔内化学療法確立のための研究 | 藤原 恵一 | 埼玉医科大学 | 客員教授 | 事後評価報告書 |
新生児ヘモクロマトーシスに対する胎内ガンマグロブリン大量静注療法の医師主導治験 | 佐々木 愛子 | 国立成育医療研究センター | 産科医長 | 事後評価報告書 |
顕微鏡的多発血管炎および多発血管炎性肉芽腫症に対するトシリズマブの有効性、安全性、薬物動態に関する医師主導治験 | 針谷 正祥 | 東京女子医科大学 | 教授 | 事後評価報告書 |
レジストリを活用した慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するエドキサバンの適応拡大のための第Ⅲ相医師主導治験 | 阿部 弘太郎 | 九州大学 | 講師 | 事後評価報告書 |
治験・臨床研究の質の向上に向けた国民の主体的参加を促すための環境整備に関する研究 | 猪口 雄二 | 日本医師会 | 副会長 | 事後評価報告書 |
三叉神経痛に対する五苓散の効果を検討する臨床試験のための患者の診察・観察を目的とする超高品質な遠隔システムのPOC研究 | 小川 恵子 | 広島大学 | 特任教授 | 事後評価報告書 |
非悪性疾患の小児患者に対する同種造血幹細胞移植におけるアレムツズマブの安全性および有効性に関する研究開発 | 坂口 大俊 | 国立成育医療研究センター | 診療部長 | 事後評価報告書 |
急性呼吸促迫症候群に対する水素ガス吸入療法の開発研究 | 青景 聡之 | 岡山大学 | 助教 | 事後評価報告書 |
筋ジストロフィーに対するTRPV2阻害薬の第Ⅱ相医師主導治験 | 松村 剛 | 大阪刀根山医療センター | 特命副院長・臨床研究部長 | 事後評価報告書 |
総評
今回の事後評価の対象である17課題は、会合審査において、概ね「総合的に計画した成果が得られた」と評価されたが、一部で今後は戦略の見直しが必要であると評価された課題もあった。
事後評価結果と評価委員より出された意見については、研究開発代表者にフィードバックした。
最終更新日 令和5年9月12日