臨床研究・治験推進研究事業 臨床研究・治験推進研究事業における令和5年度終了課題 事後評価結果について
1.事後評価の目的
研究開発課題等について、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業の運営の改善に資することを目的とする。
2.評価概要
令和5年度に終了した18課題に対して、事後評価を行った。研究班から提出された事後評価報告書について、書面審査及びヒアリング審査を行い、課題評価委員会において総合評価を決定した。
事後評価委員会
- 書面審査:
- 令和6年6月14日(金)~令和6年7月5日(金)
- ヒアリング審査・課題評価委員会:
- 令和6年7月19日(金)
- 課題評価委員:
- 課題評価委員一覧
3.評価項目
審査の評価項目は、次のとおり。
1. 研究開発達成状況
- 研究開発に対する達成状況はどうか
2. 研究開発成果
- 当初計画していた成果が着実に得られたか
- 成果は医療分野の進展に資するものであるか
- 成果は新技術の創出に資するものであるか
- 成果は社会的ニーズへ対応するものであるか
- 必要な知的財産の確保がなされたか
3. 実施体制
- 研究開発代表者を中心とした研究開発体制が適切に組織されていたか
- 十分な連携体制が構築されていたか
4. 今後の見通し
- 今後、研究開発成果のさらなる展開が期待できるか
5. 事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
- 成果の企業への導出や実用化につながることが見込まれるか
- 生命倫理、安全対策に対する法令等を遵守していたか
- 専門学術雑誌への発表並びに学会での講演及び発表など科学技術コミュニケーション活動(アウトリーチ活動)が図られていたか
6. 総合評価
- 臨床研究・治験推進研究事業における研究開発課題評価実施要綱のⅥ.3.に定める10段階評価により、上記の評価項目1~5を勘案しつつ、これらと別に評点を付し、総合評価をする。
4.評価結果一覧
令和5年度終了課題
※課題管理番号順
研究開発課題名 | 研究開発 代表者 |
所属機関 | 部署・役職 | 事後評価報告書 |
---|---|---|---|---|
敗血症治療の基礎的臨床研究とコンパニオン診断法開発 | 森松 博史 | 岡山大学 | 学術研究院医歯薬学域 教授 | 事後評価報告書 |
新規血栓溶解薬テネクテプラーゼの脳梗塞急性期再灌流療法への臨床応用を目指した研究 | 豊田 一則 | 国立循環器病研究センター | 脳血管内科 副院長 | 事後評価報告書 |
肺尖部胸壁浸潤癌に対する化学放射線療法後の術前後デュルバルマブもしくはデュルバルマブ維持療法を併用した集学的治療に関する単群検証的試験(JCOG1807C) | 坪井 正博 | 国立がん研究センター | 東病院呼吸器外科 科長 | 事後評価報告書 |
家族性大腸腺腫症に対するWT1がんワクチン免疫療法第Ⅱ相医師主導治験 | 西田 純幸 | 大阪大学 | 大学院医学系研究科 産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ 特任教授(常勤) | 事後評価報告書 |
急性骨髄性白血病に対する治療用がんペプチドワクチン「DSP-7888」のPhase2医師主導治験 | 中田 潤 | 大阪大学 | 大学院医学系研究科 助教 | 事後評価報告書 |
静脈奇形に対するモノエタノ-ルアミンオレイン酸塩を用いた硬化療法の有効性および安全性を評価する医師主導治験 | 尾崎 峰 | 杏林学園 杏林大学 | 医学部形成外科学 臨床教授 | 事後評価報告書 |
レビー小体病ハイリスク者に対するゾニサミドの有効性・安全性に関する研究 | 勝野 雅央 | 東海国立大学機構 名古屋大学 | 大学院医学系研究科 教授 | 事後評価報告書 |
SCRUM-Japanの基盤を活用した血液循環腫瘍DNAゲノムスクリーニングに基づくBRCA変異を有する胆道がんに対する医師主導治験 | 川本 泰之 | 北海道大学 北海道大学病院 | 腫瘍センター 助教 | 事後評価報告書 |
「肺非結核性抗酸菌症に対するGM-CSF吸入療法」の開発に向けた特定臨床研究 | 菊地 利明 | 新潟大学 | 大学院医歯学総合研究科 教授 | 事後評価報告書 |
難治性甲状腺がんに対する標的アルファ線核医学治療の医師主導治験 | 渡部 直史 | 大阪大学 | 大学院医学系研究科 助教 | 事後評価報告書 |
大腸菌発現系由来rhBMP-2含有β-TCP製人工骨を用いた顎骨再生療法 | 窪木 拓男 | 岡山大学 | 学術研究院医歯薬学域 教授 | 事後評価報告書 |
食道アカラシアの前駆状態とされる食道胃接合部通過障害に対する アコチアミドの有効性と安全性を検討する第II相医師主導治験 | 伊原 栄吉 | 九州大学 | 大学院医学研究院 准教授 | 事後評価報告書 |
患者レジストリを活用した筋萎縮性側索硬化症治療薬開発のための第2相医師主導治験 | 井上 治久 | 京都大学 | iPS細胞研究所 教授 | 事後評価報告書 |
標準治療前からのがん遺伝子パネル検査に基づく治療の有効性に関するバスケット試験:FIRST-Tx study | 武藤 学 | 京都大学 | 大学院医学研究科 教授 | 事後評価報告書 |
尿路上皮がんに対する合成レチノイドAM80と免疫チェックポイント阻害剤併用療法の医師主導治験のためのプロトコール作成 | 大脇 貴之 | 東海国立大学機構 名古屋大学 | 医学部附属病院泌尿器科 医員 | 事後評価報告書 |
トラフェルミン声帯内投与による新たな加齢性声帯萎縮症治療法の研究開発 ‐ 医師主導治験準備研究 | 渡邊 雄介 | 国際医療福祉大学 | 医学部耳鼻咽喉科東京ボイスセンター 教授 | 事後評価報告書 |
破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血に対する開頭クリッピング術と並行した組織型プラスミノゲンアクチベータによる脳槽血腫除去療法の有効性と安全性に関する探索的研究のプロトコル作成 | 亦野 文宏 | 日本医科大学 | 脳神経外科学講座 講師 | 事後評価報告書 |
小児血液悪性疾患及び非腫瘍性疾患に対するトレオスルファン併用移植前処置の医師主導治験のプロトコール作成 | 梅田 雄嗣 | 京都大学 | 大学院医学研究科 講師 | 事後評価報告書 |
総評
今回の事後評価の対象である18課題は、会合審査において、概ね「総合的に計画した成果が得られた」と評価されたが、一部で計画を達成できなかったと評価された課題もあった。
事後評価結果と評価委員より出された意見については、研究開発代表者にフィードバックした。
最終更新日 令和6年9月4日