第二期中長期計画期間におけるプロジェクト 再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業 (QbDに基づく再生医療等製品製造の基盤開発事業)における事後評価結果について

「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業(QbDに基づく再生医療等製品製造の基盤開発事業)」における事後評価結果を公表します。

事後評価

1.事後評価の趣旨

事後評価は、研究開発課題等について、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業の運営の改善に資することを目的として実施します。
再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業(QbDに基づく再生医療等製品製造の基盤開発事業)において、本事業における事後評価の評価項目に沿って、課題評価委員会において書面審査およびヒアリング審査による事後評価を実施しました。

2.事後評価対象課題

事後評価対象は令和2年度に採択され、令和6年度末に5年間の研究開発期間が終了した1課題です。

研究開発課題名 研究開発代表者 所属機関 役職
ヒト細胞加工製品の製造に向けたQbDに基づく管理戦略の構築と新たな核となるエコシステムの形成 紀ノ岡 正博 国立大学法人大阪大学 大学院工学研究科
教授

3.課題評価委員会

書面評価:令和7年5月12日~5月30日
評価委員会:令和7年6月16日

4.評価項目

  1. 研究開発進捗状況
  2. 研究開発成果
  3. 実施体制
  4. 今後の見通し
  5. 事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
  6. 総合評価

5.総評

本事業の目的であるQbD*方式によるヒト細胞加工製品の製造に向けてのエコシステム化については、14の代表・分担機関(途中、事業進捗に応じて分担機関を追加した)と16WG(51機関からの182名の参加者)の実施体制を構築するとともに、各WG間の交流の促進を図り、技術の水平展開を達成した。特に製造シミュレーションの充実をはじめ、生物学的評価系開発等によるCQA(重要品質特性)の確定など、それぞれの専門分野の強みを取り込み、ヒト細胞製品の実用化手前まで進めてきたことが高く評価できる。本研究の成果として特筆すべきは、指南書やJIS化、取得知財など、細胞製造の製造現場で活用されうる具体的なアウトプットが多数ある点であり、さらに特許水路確保のための特許戦略も網羅的に行われた。JIS化されたものは今後、広く海外へ周知するとともに、これらが活用されるためフォローアップが必要と思われる。

*:QbD(Quality by Design)は「設計による品質の作り込み」を意味し、医薬品開発・製造における品質管理の新しいアプローチである。従来の「最終製品の試験による品質保証」に対し、QbDは製品やプロセスの理解、リスクマネジメントに基づき、設計段階から一貫した品質を確保することを目指し、本事業では開始時には浸透していなかったヒト細胞加工製品の製造にこのコンセプトを浸透させることを目的として進めた。

掲載日 令和7年10月7日

最終更新日 令和7年10月7日