再生医療研究開発課 平成30年度 再生医療等製品とその競合技術の比較調査

概要

再生医療等製品は原材料、製品製造、品質管理など様々な点で他の医薬品と大きく異なり、これらに掛かるコストに課題があります。そのため、再生医療等製品には高い費用を上回るベネフィットが要求され、適応疾患の選定が極めて重要です。本調査では、AMEDが支援する再生医療研究の疾患を対象に、既存あるいは開発中の競合医療技術(医薬品、医療機器、遺伝子治療、生体材料など)について、各技術の有用性、技術的限界、経済性(価格や治療費)を調査しました。これにより再生医療等製品の価値や対象疾患治療における位置づけを予測し、今後の再生医療研究の方向付けの一助となることを期待しています。

調査対象

AMED再生医療研究課が支援し研究開発が進められている以下の4疾患を対象疾患としました。

  • パーキンソン病
  • 心不全
  • 重症下肢虚血
  • 変形膝関節症・膝軟骨損傷・半月板損傷

調査結果

報告書では、各疾患のアンメットメディカルニーズと、再生医療または競合技術のPros & Consを明らかにし、再生医療等製品が目指すべき姿を考察しました。また、医療コストについて、現行技術の実勢価格を明らかにすることで、再生医療等製品に求められる費用について検討しました。
再生医療等製品候補の多くは、アンメットメディカルニーズを充たすため競合技術とは異なる患者を対象にし、その特色を活かした研究開発が推進されている状況が認められました。一方で、競合技術と対象患者や作用機序が重なる候補品については、有効性・安全性・侵襲性等の面で優位性を示す必要性が示唆されました。また、再生医療等製品はコスト面に課題があるため、長期的な有効性や費用対効果の提示が求められ、競合技術と比べた経済性も重要な視点であることが明らかとなりました。
調査結果の詳細については報告書をご覧ください。

平成30年度 成果報告書公開情報

調査委託先

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所

お問い合わせ先

宛先 日本医療研究開発機構 戦略推進部再生医療研究課
Tel 03-6870-2220

掲載日 令和元年5月24日

最終更新日 令和元年5月24日