国際事業課 【事後評価結果】地球規模保健課題解決推進のための研究事業(日米医学協力計画)「日米医学協力計画の若手・女性育成のための日米共同研究公募」令和3年度終了課題
令和3年度 事後評価結果
「日米医学協力計画の若手・女性育成のための日米共同研究公募」令和3年度終了課題の事後評価結果を公表します。
1.事後評価の目的
研究開発課題等について、実施状況、成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業の運営の改善に資することを目的とする。
2.課題評価委員会
開催日: 令和5年1月18日
3.課題評価委員会
4.評価項目
① 研究開発達成状況- 研究開発計画に対する達成状況はどうか
- 予定していた成果が着実に得られたか
- 成果は医療分野の進展に資するものであるか
- 成果は、アジア地域、また、世界の人々の健康改善に資するものであったか
- 成果が一つ、もしくは、複数の分野において、新しい理式や技術の創出に資するものであるか
- 成果は社会的ニーズへ対応するものであるか
- 必要な知的財産の確保がなされたか
- 研究開発代表者を中心とした研究開発体制が適切に組織されていたか
- 各研究者の強みを活かし、また、弱みを補強できる様な研究協働体制が構築されていたか
- 今後、研究開発成果のさらなる展開が期待できるか
- 開発途上国においては特に、研究環境や研究実施キャパシティ強化や、技術移転への長期的な便益は配慮されていたか
- 若手研究者や女性研究者のキャリア開発支援、研究支援に配慮されていたか
- 研究関係者間で、研究資機材や必要な資源は適切に共有されていたか
- 生命倫理、安全対策に対する法令等を遵守していたか
- 若手研究者のキャリアパス支援が図られていたか
- 専門学術雑誌への発表並びに学会での講演及び発表など科学技術コミュニケーション活動(アウトリーチ活動)が図られていたか
- 上記①~⑤を勘案しつつこれらと別に評点を付し、総合評価をする。
5. 事後評価対象課題
令和元年度(Collaborative awards 2019)採択課題研究期間:令和1年9月1日-令和4年3月31日(実施期間延長)
研究開発代表者 | 所属研究機関 | 役職 | 研究開発課題名 | 事後評価結果報告書 |
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山本 剛史 | 長崎大学 | 准教授 | HIV-1の潜伏感染に関与する長鎖ノンコーディングRNAを標的とした低分子薬剤の開発 / Development of small molecules that target HIV-1 latency-associated long non-coding RNA for virus eradication | |
渡辺 登喜子 | 大阪大学 | 教授 | ベトナムにおける鳥インフルエンザウイルスのリスク評価に関する研究 / Study on risk assessment for avian influenza viruses in Vietnam | |
由雄 祥代 | 国立国際医療研究センター | 室長 | HIV感染者におけるA型急性肝炎病態制御に係る免疫因子の解明 / Comprehensive analysis of immune pathogenesis of acute hepatitis A with or without HIV co-infection | |
佐藤 好隆 | 名古屋大学 | 助教 | EBV関連NK細胞性腫瘍におけるスーパーエンハンサーの解析 / Dissection of super enhancers in EBV-associated T- and NK-cell lymphoma/lymphoproliferative diseases | |
南保 明日香 | 長崎大学 | 教授 | EBV関連上咽頭がん発症機構の分子基盤の解明 / Characterization of the molecular mechanism for development of Epstein-Barr virus-associated nasopharyngeal carcinoma | |
長尾 美紀 | 京都大学 | 教授 | 日本および米国における基質拡張型βラクタマーゼ産生腸内細菌科細菌の分子疫学的解析-過去20年間の変遷 / Evolution of Extended-Spectrum Beta-Lactamase-Producing Enterobacteriaceae in the US and Japan Over the Past Two Decades | |
今村 彰宏 | 岐阜大学 | 准教授 | 合成ジシアリルT抗原糖鎖による腸管毒素原性大腸菌の付着およびコロニー形成抑制効果の検証 / Development of Disialyl-T Derivatives and Evaluation of their Suppressive Effect on Enterotoxigenic Escherichia coli (ETEC) Adherence and Colonization | |
三條場 千寿 | 東京大学 | 助教 | スリランカにおける皮膚型リーシュマニア症治療予後を決定する宿主および原虫因子の研究 / Interdisciplinary study of factors related to Treatment Outcome of Sri Lanka Cutaneous Leishmaniasis | |
森本 耕三 | 結核予防会結核研究所 | 研究員 | アジア/太平洋地域にまん延する肺NTM症の宿主因子の同定 / Identification of host factors of pulmonary NTM diseases in the Asia Pacific region |
研究期間:令和2年9月15日-令和4年3月31日
研究開発代表者 | 所属研究機関 | 役職 | 研究開発課題名 | 事後評価結果報告書 |
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八幡 信代 | 九州大学 | 准教授 | 古典的・新興サイトメガロウイルス関連ぶどう膜炎における眼内ウイルスタンパクUL40多型と宿主免疫応答 / Variation of human cytomegalovirus (HCMV) UL40 and immune responses in classic and emerging HCMV-associated ocular diseases. | |
本園 千尋 | 熊本大学 | 講師 | HIV潜伏感染細胞に含まれる新たな自然免疫型T細胞の同定 / Identification of innate-like T cell as a novel HIV reservoir | |
藤永 由佳子 | 金沢大学 | 教授 | 新型と推定されるボツリヌス毒素の神経毒素活性の解析 / Analysis of neurotoxicity of a putative novel botulinum neurotoxin | |
福世 真樹 | 千葉大学 | 助教 | 大規模ピロリ菌ゲノムプロジェクトへ向けたゲノム・メチロームパイロット解析 / Pilot-scale analysis of 5methylC methylome for Helicobacter pylori Genome Project |
令和2年度 2次公募(Collaborative awards 2020 COVID-19感染症に対する日米アジア共同研究)採択課題
研究期間:令和3年1月29日-令和4年3月31日
研究開発代表者 | 所属研究機関 | 役職 | 研究開発課題名 | 事後評価結果報告書 |
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大塚 邦紘 | 徳島大学 | 助教 | 日・米・東南アジアにおけるCOVID-19の免疫応答・遺伝的素因・神経学的長期予後の検証 / Genetics, Immunological and Neurological Long-term Consequences in Prospective COVID-19 Cohort in Thailand, Japan, Philippines and USA | |
柴田 翔 | 東京医科歯科大学 | 助教 | 日本、米国の大規模コホートを用いた新型コロナウイルス感染症の重症化に関わる宿主因子の解明 / Comprehensive elucidation of the host factors contributing to severe COVID-19 using large U.S. and Japanese cohorts | |
MOI MENG LING | 東京大学 | 教授 | Long-term immunity to SARS-CoV-2 in influencing COVID-19 disease outcome in Asia | |
山本 和子 | 琉球大学 | 教授 | COVID-19におけるSARS-CoV-2特異的な気道粘膜免疫システムと重症度との関連性の解明 / Roles of T follicular helper cells and tissue resident memory cells of mucosal immunity in COVID-19 disease severity |
6.総評
今回の事後評価の対象となった全17課題は、概ね、計画どおり、または計画を上回る成果が得られたと評価された。国際共同研究の成果が、学術論文、学会発表、または特許出願、といった明確なアウトプットが見られ、特に高く評価された課題があった一方で、一部の課題についてはコロナ禍もあり、米・アジアの共同研究者と十分に往来できないなか、国際共同研究体制が十分に確立できていないことや研究計画の目標が未達である、という点で計画を下回る成果にとどまったと評価されたものもあった。
最終更新日 令和5年6月21日