医療機器研究開発課 未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業

概要

立体造形による機能的な生体組織製造技術の開発

日本が強みを有する細胞などを用いて立体造形する技術を利用して、移植用途の機能的な立体組織や立体臓器の製造技術を開発し、移植組織・臓器不足の解消、医療機器産業等の国際競争力強化に貢献します。
事業イメージ図

プロジェクトテーマ

高機能足場素材とバイオ3Dプリンタを用いた再生組織・臓器の製造技術の開発

説明図再生組織イメージ図骨や軟骨等の治療では、複雑な生体構造を精密に再現し、かつ、速やかに生体になじむ再生医療製品が望まれています。本テーマでは、バイオ3Dプリンタを用いて細胞が住みつくための足場を構築し、そこに細胞を注入することにより、骨、軟骨・半月板、膝関節、皮膚を作製します。これにより、生体内における組織の再生が可能な新たな再生医療製品の実用化を目指します。


 

バイオ3Dプリンタで造形した小口径Scaffold free細胞人工血管の臨床開発

説明図現在使用されている合成繊維や樹脂製の人工血管は、血栓ができやすいことや、折れ曲がりにより血流が止まりやすいなどの問題から、小口径の製品については実用化には至っていません。本テーマでは、バイオ3Dプリンタを用いた細胞塊の積層技術により、小口径の血管を開発します。作製される血管は細胞のみで構成され、血栓が出来にくいことや、しなやかさを併せ持ち閉塞に強いことを特長とし、人工透析を始めとする各種臨床ニーズへの応用が期待できます。






 

革新的な三次元精密細胞配置法による立体造形と小口径血管を有するバイオハートの研究開発

説明図立体的な心筋の作製において、心筋中心部へ栄養分や酸素を供給するための血管構築を含め、疾患部の形状に適した立体造形技術が課題となっています。本テーマでは、特定の複数タンパク質で細胞表面を覆う高分子技術とヒトiPS細胞由来の心筋細胞等を精密に配置する3Dプリント技術により、ミクロなレベルから構造及び形状が制御された機能的な立体心筋を開発し、新たな再生医療製品としての実用化を目指します。







 

組織工学を用いたヒト心臓壁立体造形技術の開発

これまで、機能的な心筋の作製は、心筋内部の栄養不足により、細胞や組織の機能が低下するという問題があるため難しいとされていました。本テーマでは、ヒトiPS由来細胞シートにゼラチンハイドロゲル等の生体吸収性物質などをはさみ込み、酸素や栄養分を供給する仕組みを作ることで、細胞の生存と機能を維持した従来にはない厚みのある立体心筋を作製します。これにより、治療有効性を高める新たな再生医療製品としての実用化を目指します。
説明図

細胞シート工学を基盤とした革新的立体臓器製造技術の開発

説明図立体心筋と管状の心臓のイメージ図ヒトの心臓と同等の厚みのある立体的な心筋の作製では、その中心部で栄養分などが枯渇することにより細胞が死んでしまうという問題があります。本テーマでは、生体由来の血管網の上にiPS細胞由来の心筋シートを段階的に積層することで心筋中心部まで栄養分が供給される構造を作製します。これにより、細胞密度の高い立体心筋や管状の心臓を開発し、実際の心機能の代替となる新たな再生医療製品としての実用化を目指します。

委託先

それぞれのプロジェクトテーマに関する委託先は以下の通りです。

プロジェクトテーマ 委託先

高機能足場素材とバイオ3Dプリンタを用いた再生組織・臓器の製造技術の開発

国立大学法人東京大学、国立大学法人大阪大学、学校法人福田学園大阪保健医療大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所、富士フイルム株式会社、シーメット株式会社、株式会社JMC、オリンパステルモバイオマテリアル株式会社

バイオ3Dプリンタで造形した小口径Scaffold free細胞人工血管の臨床開発

国立大学法人佐賀大学、京都府公立大学法人京都府立医科大学、株式会社サイフューズ

革新的な三次元精密細胞配置法による立体造形と小口径血管を有するバイオハートの研究開発

国立大学法人大阪大学、東レ株式会社、株式会社リコー、公立大学法人横浜市立大学、国立大学法人弘前大学、国立大学法人名古屋大学、協和発酵バイオ株式会社

組織工学を用いたヒト心臓壁立体造形技術の開発

国立大学法人京都大学、旭硝子株式会社、iHeart Japan株式会社

細胞シート工学を基盤とした革新的立体臓器製造技術の開発

学校法人東京女子医科大学、学校法人早稲田大学、学校法人慶應義塾慶應義塾大学、国立大学法人東北大学、株式会社東海ヒット、コージンバイオ株式会社、株式会社セルシード、パナソニックヘルスケア株式会社

お問い合わせ先

宛先 産学連携部 医療機器研究課
Tel 03-6870-2213
E-Mail miraiiryou(at)amed.go.jp
備考
※e-mailは上記アドレス(at)の部分を@に変えてください

最終更新日 平成27年6月19日