ゲノム・データ研究開発課 ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業(先導的ELSI研究プログラム)
事業概要
「先導的ELSI研究プログラム」とは
「先導的ELSI研究プログラム」は、ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業をはじめとする各省連携プロジェクト「疾病克服に向けたゲノム医療実現プロジェクト」の推進に当たる、倫理的・法的・社会的課題(ELSI : Ethical, Legal and Social Issues)の問題解決を推進する研究事業です。
ゲノム研究の現場において、社会の理解と支持が得られず停滞を生じさせうる既に顕在化しているELSIや、ゲノム医療等への社会実装を見据え潜在的に懸念されるELSIの問題解決に向けて、事例研究と中長期的な視点にたった研究の2つの側面を組み合わせたアプローチによる実践的な研究開発を通して、ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業等の推進に寄与る知見を創出することを目指します。
実施機関
- 「学際連携に基づく未来志向型ゲノム研究ガバナンスの構築」
- 研究開発代表機関:国立大学法人 大阪大学 大学院医学系研究科/加藤 和人
- 研究開発実施期間:平成28~30年度
研究成果報告書
- 平成29年度以降の研究成果報告については、研究開発課題データベース(AMEDfind)をご参照ください。
- 平成28年度 ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業 研究成果報告書一覧
研究開発の成果①
「研究における個人の遺伝情報の結果返却 検討および留意すべき事項と今後の議論・検討に向けた課題に関する提言」
- 本提言について(東北大学 東北メディカル・メガバンク機構:長神 風二、相澤 弥生、大阪大学 大学院医学系研究科:大橋 範子)※「本報告書刊行にあたって」より引用
- AMEDゲノム医療実現推進プラットフォーム事業[先端ゲノム研究開発(GRIFIN)]各課題に対するヒアリングおよび、我が国においてさまざまな立場から遺伝情報の解析結果の返却に類する課題に関係してきた方々へのヒアリングから得た貴重な知見に、文献調査等により得た知見を加え、我が国でこの問題について各研究プロジェクトが検討および留意すべき事項、我が国の幅広いステークホルダーの中で議論を継続すべき課題について検討し、その結果について本報告書にまとめた。
(中略)第1部では、「研究における個人の遺伝情報の結果返却 検討および留意すべき事項と今後の議論・検討に向けた課題に関する提言」として、本報告の中心である、研究において個人の遺伝情報の結果返却を行うに際して研究プロジェクトとして検討および留意すべき事項と、議論・検討を要する課題についてまとめた。また、第2部では「調査結果概要」として実際に当班が携わった、研究者、有識者へのヒアリング、先行事例や我が国の法令、指針等に関する調査の結果を具体的な資料として納めている。
本成果に関するお問い合わせ先
東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 広報・企画部門
長神 風二(ながみ・ふうじ)
E-mail:f-nagami”AT”med.tohoku.ac.jp ※”AT”の部分を@に変えてください。
研究開発の成果②
報告書「研究参加に電子的手法を用いる際の留意点」
- 本報告書について(大阪大学 大学院医学系研究科 古結 敦士、加藤 和人)※「はじめに」より引用
- 本報告書では、医学研究のICT利用の1つのあり方として、「研究参加における電子的手法の利用」について着目した。他の分野と比較して、医学研究、その中でも特に研究参加者との様々なコミュニケーションについては、ICTの利用が遅れていると言わざるを得ない。そのため、今後研究参加における電子的手法がより良く実装されるために、主にELSIの観点から分析・整理を行い、その留意点をまとめた。その具体的な留意点、および我が国が今後取り組むべきことについての提言を第1章とし、それらの根拠となる分析・検討の具体的内容を第2章 、引用文献等を第3章としてまとめた。本報告書における検討内容が、今後のICTを用いた新たな医学研究を実装するためのポリシー策定の一助となれば幸いである。
本成果に関するお問い合わせ先
大阪大学 大学院医学系研究科 医の倫理と公共政策学
古結 敦士(こげつ・あつし)、加藤 和人(かとう・かずと)
研究室ウェブサイト:加藤和人研究室 大阪大学大学院医学系研究科 医の倫理と公共政策学
研究開発の成果③
オミクスデータ共有促進ガイダンス(概要版・詳細版)
- 本ガイダンスについて(先導的ELSI研究プログラム オミクス研究班)※詳細版「はじめに」より引用
- 本研究班では、従来行われてきたオミクスデータの共有方法に対し、改正個人情報保護法や、関連のガイダンス、指針などによる規制状況の変化が、実際に制限的に機能し、共有への障壁になるのかどうかを検討し、本ガイダンスとして報告することにした。
(中略)本ガイダンスはオミクスデータの共有促進に資することを目的としたもので、ベタープラクティスであり、医学系研究をはじめとするヒト由来試料を対象とした研究を遂行する際に産出されたさまざまな種類のオミクスデータに適用されるものである。このガイダンスに沿ったオミクスデータ共有を進めることで、円滑にデータを共有でき、ゲノム医療研究開発が一層促進されることが期待される。
概要版(画像をクリックするとpdfファイルが開きます)
詳細版
先導的ELSI研究プログラム オミクス研究班
- 先導的ELSI研究プログラム オミクス研究班
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- 大阪大学 データビリティフロンティア機構
山本 奈津子(やまもと・なつこ) - 東北大学 東北メディカル・メガバンク機構
荻島 創一(おぎしま・そういち) - 科学技術振興機構 バイオサイエンスデータベースセンター
川嶋 実苗(かわしま・みなえ) - 情報・システム研究機構 ライフサイエンス統合データベースセンター
片山 俊明(かたやま・としあき) - 大阪大学 大学院医学系研究科
岡田 随象(おかだ・ゆきのり)
- 大阪大学 データビリティフロンティア機構
評価・運営体制
PS・PO
本事業は、事業の運営や各プログラムの連携協力・推進等の調整を行うプログラムスーパーバイザー(PS)と、PSを補佐して個々の課題の運営推進を行うプログラムオフィサー(PO)がマネジメントします。
- PS
- 春日 雅人(朝日生命成人病研究所 所長)
- PO
- 菅野 純夫(東京医科歯科大学 難治疾患研究所 分子疫学 非常勤講師)
課題評価委員会
外部有識者から構成される課題評価委員会において、各研究開発課題の事前評価、中間評価、事後評価等の評価を実施します。
評価報告書
評価報告書につきましては、下記リンクをご覧ください。
最終更新日 令和2年6月30日