疾患基礎研究課 免疫アレルギー疾患実用化研究事業における令和2年度 課題評価結果について

令和2年度「免疫アレルギー疾患実用化研究事業」の中間評価及び事後評価結果を公表します。詳細は各項目をご覧ください。

中間評価

1.中間評価の趣旨

中間評価は、研究開発課題について、情勢の変化や研究開発の進捗状況を把握し、これを基に適切な予算配分や研究開発計画の見直し、課題の中断・中止を含めた研究開発計画変更の要否の確認等を行うことにより、研究開発運営の改善及び機構の支援体制の改善に資することを目標として実施します。

免疫アレルギー疾患実用化研究事業(以下、本研究事業)では、効率的かつ効果的な研究開発を推進し、限られた原資を有効に活用し、研究開発支援を適切に実施すること等をねらいとし、本研究事業における中間評価の評価項目に沿って、評価対象課題別に書面審査及び面接(ヒアリング)審査にて中間評価を実施しました。

2.中間評価委員会

開催日:令和2年10月16日

3.中間評価対象課題

4.中間評価委員

5.評価項目

  • 研究開発進捗状況
  • 研究開発成果
  • 実施体制
  • 今後の見通し
  • 事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
  • 総合評価

6.総評

本研究事業は、免疫アレルギー疾患の病因・病態の解明等に関する研究や、予防、診断及び(根治的)治療法に関する質の高い基礎的研究に立脚した「成果やシーズ」を着実に実用化プロセスに乗せて、新規創薬、医療技術、医療機器等の研究開発等を促進し、免疫アレルギー疾患罹患患者のQOLの維持・向上を目指します。

評価委員会では、令和元年度に採択された課題のうち1課題を対象としました。

対象となった1課題では、患者・市民参画によるスマートフォンアプリケーションを用いた花粉症の研究を行っています。
概ね計画通りに進捗しているものと評価されました。
一方、特に市民参画により医療者と異なる視点を取り入れることにより得られる成果につき具体的に研究計画に盛り込むこと、患者・市民参画の具体的成果が得られやすいようにすること等が指摘されました。
以上より、課題はあるものの、今回中間評価の対象となった課題は継続することとしました。

事後評価

1.事後評価の趣旨

事後評価は、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び運営の改善に資することを目的として実施します。

免疫アレルギー疾患実用化研究事業(以下、本研究事業)では、評価委員会を以下の日程で開催し、本研究事業における事後評価の評価項目に沿って、評価対象課題別に書面審査及び面接(ヒアリング)審査にて事後評価を実施しました。

2.事後評価委員会

開催日:令和2年10月16日

3.事後評価対象課題

4.事後評価委員

5.評価項目

  • 研究開発進捗状況
  • 研究開発成果
  • 実施体制
  • 今後の見通し
  • 事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
  • 総合評価

6.総評

本研究事業は、免疫アレルギー疾患の病因・病態の解明等に関する研究や、予防、診断及び(根治的)治療法に関する質の高い基礎的研究に立脚した「成果やシーズ」を着実に実用化プロセスに乗せて、新規創薬、医療技術、医療機器等の研究開発等を促進し、免疫アレルギー疾患罹患患者のQOLの維持・向上を目指します。

評価委員会では、今年度で終了する7課題を対象としました。
5つの課題について進捗が良好であったことを評価され、残る2課題についてもおおむね計画通りに進捗したと評価されました。

自己免疫疾患の新たな診断法・治療法に関する研究では、MHCクラスII分子の発現制御機構を解明し、新たな疾患概念を確立した点が高く評価され、今後のさらなる発展が期待されます。アナフィラキシーに関する研究では、DOCKファミリー分子のアナフィラキシー病態への関与が明らかとなった点が高く評価され、今後の研究開発が期待されます。血清エクソソーム内細菌成分のアレルギー・自己免疫疾患への関与に関する研究では、薬疹の原因として崩壊菌体成分が関与していることを見いだした点が高く評価され、アレルギー応答介入の可能性が期待されます。脂質によるアレルギー疾患の調節機構に関する研究では、アレルギー疾患モデルの病態におけるホスホリパーゼA2分子群の関与を明らかにした点が高く評価されました。

最終更新日 令和2年12月23日