革新的先端研究開発課 革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)
免疫記憶の理解とその制御に資する医療シーズの創出
【研究開発目標】免疫細胞に宿る記憶の理解とその制御に資する医療シーズの創出
研究開発領域概要
免疫記憶は生体防御の主要なシステムの1つとして感染症において機能するのみならず、がんやアレルギー・自己免疫疾患等の多くの疾患の病態に深く関係しています。これらの疾患の発症予測や予防・治療法の標的として免疫記憶の機構を理解することは、これらの疾患に対する医療の発展に向けた基礎を構築する上で極めて重要です。また、自己と非自己の認識に基づく記憶免疫、病原微生物と共生微生物に対する記憶免疫、生体防御に資する有益な記憶免疫と病原性記憶免疫、等の研究を進めることで、免疫記憶現象において新たなコンセプトが導き出されることが期待されます。
これまでの免疫研究は主にマウスを対象とし、短期的な免疫応答研究を中心に行われてきました。また、マウス等の動物モデルとヒトとの種間の免疫機構の違いが、基礎研究を医療応用へつなぐ際の障壁となっています。一方で今般のコロナウイルス感染症対策として、急速にヒト免疫学が重要視されるようになり、基礎研究によってヒトの免疫記憶機構を理解することの重要性が高まってきました。ヒト免疫記憶が如何に形成、維持され、また状況に応じて如何に活性化され、消失するかを理解することにより、免疫が関わる多くの疾患対策に新たな視点を与えることが期待されます。
本研究開発領域では、近年のシングルセル・レパトア解析やクライオ電子顕微鏡を用いた構造解析等の最先端の研究技術を駆使し、がんや感染症、アレルギー・自己免疫疾患等に関わる免疫記憶機構を、ミクロからマクロまで、階層的・多面的に理解することで、これらの疾患の予測・制御に資する医療シーズの創出を目指します。
発足年度
令和4年度
評価・運営体制
研究開発総括(プログラムスーパーバイザー/PS)
- 中山 俊憲
- 千葉大学 学長
研究開発副総括(プログラムオフィサー/PO)
- 竹田 潔
- 大阪大学大学院医学系研究科 教授
アドバイザー
- 石井 健
- 東京大学医科学研究所 教授
- 椛島 健治
- 京都大学大学院医学研究科 教授
- 川口 寧
- 東京大学医科学研究所 教授
- 久保 允人
- 東京理科大学生命医科学研究所 教授
- 黒﨑 知博
- 大阪大学免疫学フロンティア研究センター 特任教授
- 渋谷 和子
- 筑波大学医学医療系 教授
- 千葉 健治
- 田辺三菱製薬株式会社創薬本部 フェロー
- 山本 一彦
- 理化学研究所生命医科学研究センター センター長
パンフレット
最終更新日 令和6年3月4日