規制科学推進課 医薬品等規制調和・評価研究事業における令和3年度終了課題 事後評価結果について
1.事後評価の目的
医薬品等規制調和・評価研究事業では、研究開発課題等について、研究開発の実施状況、成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業の運営の改善に資することを目的とする。
2.評価概要
令和3年度に終了した43課題に対して、事後評価を行った。研究班から提出された事後評価報告書について、書面審査及びヒアリング審査を行い、課題評価委員会において総合評価を決定した。
課題評価委員会 開催日:令和4年8月3日(水)
課題評価委員: 令和3年度終了課題評価委員会 委員名簿
3.評価項目
審査の評価項目は、次のとおりとする。
①研究開発達成状況
- 研究開発計画に対する達成状況はどうか
②研究開発成果
- 当初計画していた成果が着実に得られたか
- 成果は社会的ニーズへ対応するものであるか
- 成果は医療分野の進展に資するものであるか
- 成果は新技術の創出に資するものであるか
- 必要な知的財産の確保がなされたか
③実施体制
- 研究開発代表者を中心とした研究開発体制が適切に組織されていたか
- 十分な連携体制が構築されていたか
- 必要に応じ、規制当局・関係者等との連携がなされていたか
④今後の見通し
- 今後、研究開発成果のさらなる展開が期待できるか
⑤事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
- 規制への反映が期待されるものか(ガイダンス案、標準的評価法等の策定につながるものか)
- 生命倫理、安全対策に対する法令等を遵守していたか
- 若手研究者のキャリアパス支援が図られていたか
- 専門学術雑誌や学会での発表、ガイドライン案のパブリックコメントへの協力など、科学技術コミュニケーション活動(アウトリーチ活動)が図られていたか
⑥総合評価
- 上記の評価項目①~⑤を勘案しつつこれらと別に評点を付し、総合評価をする。
本事業はレギュラトリーサイエンス研究であることに鑑み、規制と密接に関連する評価項目①、③及び⑤を重視して総合評点を付する。
4.評価結果一覧
令和3年度終了課題
研究開発課題名 | 代表者 | 所属 | 役職 | 事後評価報告書 (要旨) |
その他 成果物 |
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医薬品の開発における、品目横断的な臨床試験データ解析及び疾患レジストリデータ解析の活用に関する研究 | 安藤 友紀 | 医薬品医療機器総合機構 | スペシャリスト | ダウンロード | |
アカデミアによる医療情報データベース研究におけるMID-NET利活用に関する研究 | 三角 俊裕 | 横浜市立大学 | 客員講師 | ダウンロード | |
核酸医薬を高感度・高精度に分離分析する技術の開発と品質と安全性評価への応用 | 辻野 博文 | 大阪大学 | 准教授 | ダウンロード | |
PEG化蛋白医薬の輸送/保管条件の最適化を目指した、ストレス負荷下での各種PEG化蛋白質の品質評価 | 長野 一也 | 大阪大学 | 准教授 | ダウンロード | |
医薬品の品質確保のための日本薬局方改正に向けた試験法等開発に関する研究 | 伊豆津 健一 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 部長 | ダウンロード | |
医療用医薬品の生物学的同等性評価手法の開発及びガイドライン案の作成に関する研究 | 吉田 寛幸 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 室長 | ダウンロード | |
医薬品等の動物試験代替法の開発及び国際標準化等に関する研究 | 小島 肇 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 主任研究官 | ダウンロード | |
化粧品・医薬部外品中の微量不純物等の試験法及び規格設定に関する研究 | 五十嵐 良明 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 部長 | ダウンロード | |
ヒト用医薬品の環境影響評価のための環境影響試験の実施と構造活性相関手法を用いた予測システムの開発に関する研究 | 広瀬 明彦 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 部長 | ダウンロード | |
小児医薬品の早期実用化に資するレギュラトリーサイエンス研究 | 中村 秀文 | 国立成育医療研究センター | 開発企画主幹 | ダウンロード | |
感染症予防ワクチンの非臨床試験・臨床試験ガイドラインに関する研究 | 岡部 信彦 | 川崎市健康安全研究所 | 所長 | ダウンロード | |
医薬品が自動車運転技能に与える影響の評価手法の開発 | 岩本 邦弘 | 東海国立大学機構名古屋大学 | 講師 | ダウンロード | |
医薬品等の原材料等に使用されるアレルギー物質の情報提供のあり方の研究 | 酒井 信夫 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 室長 | ダウンロード | |
強い催奇形性を有する医薬品の適正な安全管理手順の調査研究 | 鈴木 憲史 | 日本赤十字社医療センター | 顧問 | ダウンロード | |
インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動に係る全国的な動向調査研究 | 岡部 信彦 | 川崎市健康安全研究所 | 所長 | ダウンロード | |
化粧品等のアレルギー成分確認方法の開発と標準化、普及に向けた研究 | 松永 佳世子 | 藤田学園藤田医科大学 | 教授 | ダウンロード | |
医薬関係者による副作用報告の質向上に向けた情報連携のあり方の研究 | 眞野 成康 | 東北大学病院 | 教授/部長 | ダウンロード | |
医療機器の安全性・有効性評価における非臨床試験の高度化に関する研究 | 蓜島 由二 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 客員研究員 | ダウンロード | |
遺伝子パネル検査によるコンパニオン診断システムの標準化に向けた検討 | 永井 純正 | 京都大学 | 教授 | ダウンロード | |
病原体検出に係る体外診断用医薬品の開発、評価、品質管理に関する研究 | 浜口 功 | 国立感染症研究所 | センター長 | ダウンロード | |
医療機関における医療機器のサイバーセキュリティに係る課題抽出等に関する研究 | 中野 壮陛 | 医療機器センター | 所長 | ダウンロード | |
人工知能等の先端技術を利用した医療機器プログラムの薬事規制のあり方に関する研究 | 中岡 竜介 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 室長 | ダウンロード | |
医療機関における医療機器を安全に使用するための情報共有のあり方の研究 | 鮎澤 純子 | 九州大学 | 准教授 | ダウンロード | |
医療機器の不具合用語集の国際整合及び不具合報告の効率的な活用のためのシステム構築の研究 | 横井 英人 | 香川大学 | 教授 | ダウンロード | |
細胞加工製品の製造工程の変更に伴う同等性/同質性評価のあり方に関する研究 | 佐藤 陽治 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 部長 | ダウンロード | WG報告書 ※令和4年5月の暫定版からの更新(最終)版 |
バイオ後続品開発の合理化及び普及に向けた研究 | 石井 明子 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 部長 | ダウンロード | |
アカデミアにおけるCDISC標準利用推進のための施設間連携に関する研究 | 齋藤 俊樹 | 国立病院機構名古屋医療センター | 部長 | ダウンロード | |
患者レジストリデータを活用した、臨床開発の効率化に係るレギュラトリーサイエンス研究 | 柴田 大朗 | 国立がん研究センター | 部長 | ダウンロード | |
薬事規制分野におけるホライゾン・スキャニングの実施手法に関する研究 | 鹿野 真弓 | 東京理科大学 | 教授 | ダウンロード | |
乱用防止に資する医薬品の開発のための製剤学的アプローチに関する研究 | 山田 清文 | 東海国立大学機構名古屋大学 | 教授 | ダウンロード | |
大規模医療情報の標準化のための統一的管理手法の構築と利活用の研究 | 康 東天 | 九州大学 | 部長 | ダウンロード | |
大規模医療情報の安全対策への活用拡大に向けたデータ品質管理に関する課題解決の研究 | 中島 直樹 | 九州大学 | 教授 | ダウンロード | |
薬物相互作用・生理機能変化を踏まえた医薬品の投与最適化の評価・予測手法の開発 | 永井 尚美 | 武蔵野大学 | 教授 | ダウンロード | |
小児用医療機器の日米同時開発に係る課題抽出等に関する研究 | 坂本 喜三郎 | 静岡県立病院機構静岡県立こども病院 | 院長 | ダウンロード | |
データ等の通信機能を有する医療機器開発における相互運用性確保のためのガイダンス策定に関する研究 | 近藤 昌夫 | 大阪大学 | 教授 | ダウンロード | |
In vivoゲノム編集を利用した遺伝子治療用製品の安全性評価に関する研究 | 内田 恵理子 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 主任研究官 | ダウンロード | |
神経変性疾患の病期に着目した治療法開発および承認後適正使用を推進する新規評価法の確立 | 小早川 優子 | 九州大学 | 医員 | ダウンロード | |
薬剤性急性腎障害から慢性腎臓病への進展を予測する新規評価分子の探索 | 松下 幸平 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 主任研究官 | ダウンロード | |
NMRフィンガープリント法を用いたペプチド医薬品の品質管理に関する研究 | 三澤 隆史 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 室長 | ダウンロード | |
抗体薬物複合体の非標的細胞内取込に影響を及ぼす特性の解析 | 青山 道彦 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 研究員 | ダウンロード | |
DNA 損傷性を指標にしたHTS による医薬品の発がん性評価システムの開発 | 砂田 成章 | 東京医科歯科大学 | 助教 | ダウンロード | |
希少疾患領域の医薬品開発を効率化するための小規模臨床試験のデザイン・統計解析法の研究開発とその適正利用のための基本的考え方の策定 | 平川 晃弘 | 東京医科歯科大学 | 教授 | ダウンロード | |
PDXモデルを用いた非臨床試験の実施に係る標準化に関する研究 | 柳下 薫寛 | 国立がん研究センター | 研究員 | ダウンロード |
総評
課題評価委員会において、今回の事後評価の対象である43課題は概ね「総合的に計画した成果が得られた」と評価されたが、一部、計画した成果目標に到達していない部分があると評価された課題もあった。
事後評価結果と評価委員より出された意見については、研究開発代表者にフィードバックした。
最終更新日 令和5年2月7日