医薬品プロジェクト ニューモダリティコンソーシアム(Nモダコンソ)

基本情報

分野 医薬品プロジェクト
開発フェーズ 応用
お問い合わせ先
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 創薬事業部 創薬企画・評価課
「ニューモダリティコンソーシアム(Nモダコンソ)」 担当
E-mail: id3nmoda”AT”amed.go.jp
備考:

※Emailは上記アドレス“AT”の部分を@に変えてください。

公募情報

現在、公募情報はありません。

ニュース

AMEDが支援する課題の研究成果として各研究機関が発表した資料は、2025(令和7)年 成果情報一覧をご覧ください。

事業の概要

アカデミア発創薬を支援するAMED創薬ブースター(※1)を所管する創薬事業部では、令和7年度より新たに産学協働新モダリティ創薬推進事業を開始します。
本事業を推進するにあたり、創薬技術をもつ製薬企業等を会員とする「ニューモダリティコンソーシアム(略称:Nモダコンソ)」を設立します。

Nモダコンソは、本コンソーシアムに参画するスタートアップを含む企業が提供する競争優位性のある創薬技術・ノウハウと、AMEDが創薬ブースター等において支援を行う大学や公的研究機関等(以下、「大学等」という。)が持つ創薬シーズ(※2)を早期に組み合わせた検証評価を行い、単独の大学等・企業では実現が困難な、新たなモダリティ(ニューモダリティ)(※3)技術を活用した次世代医薬品開発の実用化の促進を目的とした取組みです。
創薬事業部は、本コンソーシアムにおける取組み全体を通じた円滑な運営のための支援を行い創薬活動全体の効率を高めることを目指します。

なお、本コンソーシアムの会員は、創薬(医薬品の研究開発)を行う体制をもち、独自の創薬技術を創薬ブースター支援テーマに提供可能な製薬企業(スタートアップ含む)等となります。
(アカデミアは、創薬ブースターの支援対象となりますが、本コンソーシアム会員の対象とはなりませんのでご注意ください。)

※1 AMED 創薬ブースターは、大学等の創薬シーズを対象として、アイデアの検証~前臨床開発までの支援を行う事業です。創薬に必要な知識や経験を有する製薬企業出身の創薬専門家チームが、大学等の研究者と共に早期実用化を目指して伴走しています。
※2 創薬シーズとは、創薬に関する優れた研究成果のことであり、創薬に係る標的機能分子や標的機能分子に作用する物質等をいいます。
※3 新たなモダリティとは、抗体、遺伝子治療用ベクター、ワクチン、核酸、細胞、タンパク質、ペプチド及びタンパク分解薬等の低分子化合物等及び会員から提供された競争優位性のある創薬技術・ノウハウ又はこれらの組み合わせをいい、その対象の選定はAMEDが会員企業選考時に個別に判断します。

参考:概要図

参考:実施体制図

事業の特徴

Nモダコンソを活用することで、大学等においては、創薬ブースターの伴走支援を受けながら、企業が有する新しい創薬技術を用いた検証を行うことが可能となります。また、モダリティ固有の課題解決のための独創的な創薬技術へアクセスできる可能性が高まります。更に、創薬技術を提供する企業との連携等に繋がった場合は共同研究を開始することができます。

一方、Nモダコンソの会員企業においては、大学等の有する萌芽的な創薬シーズに効率良く早期にアクセスすることが可能となります。また、企業の有する創薬技術と新たな創薬シーズの組み合わせにより、企業のパイプラインを増加させる機会の創出、及び革新的な創薬に繋がることが見込まれます。企業の独自技術を用いて大学等において検証試験を実施する場合、原則としてAMEDが必要経費負担の下、創薬シーズの検証をすることができ、検証結果を最初に評価できるという利点もあります。加えて、大学等との共同研究開始に向けてのプロセスを規約で定めるため、効率よく共同研究が開始できるほか、連携後はAMED他事業等への更なる展開の可能性があり、実用化に向けた取組みを加速させる効果が見込まれます。

会員企業の一覧

会員企業の一覧は以下のとおりです(順不同、2025年7月15日現在)

1 株式会社メドレックス 12 株式会社GenAhead Bio
2 株式会社アンチキャンサーテクノロジズ 13 UBE株式会社
3 Crafton Biotechnology株式会社 14 バイエル薬品株式会社
4 株式会社セルシード 15 日産化学株式会社
5 中外製薬株式会社 16 株式会社Theta Therapeutics
6 株式会社ペルセウスプロテオミクス 17 株式会社カイオム・バイオサイエンス
7 協和キリン株式会社 18 エーザイ株式会社
8 株式会社S-Quatre 19 株式会社Arrowsmith
9 NANO MRNA株式会社 20 DiveRadGel株式会社
10 株式会社レボルカ 21 ユナイテッド・イミュニティ株式会社
11 KHネオケム株式会社 22 ルクサナバイオテク株式会社

会員企業各社の代表的な事業及び技術概要

会員企業より提供いただいた情報です(順不同、2025年9月2日現在)

1 株式会社メドレックス
  メドレックスは、自社基盤技術である「イオン液体技術」や「ナノコロイド技術」、「マイクロニードルアレイ」などを用いて、既存/他者技術では困難な課題を解決することを命題としたDDS創薬に注力しており、経皮投与の利点を活かした経皮製剤開発を中心に取り組んできました。最近は経皮製剤に限らず、自社イオン液体技術を応用した創薬ニューモダリティ等の溶解性改善や経口処方化などを解決するための製剤開発などにも取り組んでいます。
2 株式会社アンチキャンサーテクノロジズ
  アンチキャンサーテクノロジズは、一細胞RNAシークエンスデータよりがん幹細胞を同定し、がん幹細胞特異的抗原を発見する技術、タンパク質の網羅的絶対定量法によるがん代謝ネットワークを可視化する技術、タンパク質の発現量とがんの悪性度の相関データより、がんの治療標的分子を抽出する独自技術を保有しています。モダリティを問わず、他のCROでは提供できない技術・ノウハウを組み合わせた創薬支援が可能です。
3 Crafton Biotechnology株式会社
  Crafton Biotechnologyは、超高純度のmRNA、PureCap®の開発製造の技術を保有しています。
PureCap®は、mRNA医薬品の5'キャップ構造を高純度で合成するCrafton Biotechnology独自の基盤技術です。mRNAワクチン、治療用タンパク質発現、がん免疫療法等の多様なモダリティに適用できます。従来法では困難だった不純物の除去を可能にし、mRNAの安定性・翻訳効率・細胞内持続性を大幅に向上させることで、医薬品の有効性と安全性を同時に高め、競合他社に対する決定的な技術的優位性を構築しています。
4 株式会社セルシード
  セルシードは、再生医療等製品(細胞治療薬)の事業として細胞シート再生医療事業、細胞培養器材事業、再生医療受託事業を展開しています。それらの事業の中で培った再生医療分野における技術として、細胞シート工学の応用・細胞シート製剤の開発、細胞治療薬の開発、細胞治療用器材の開発・提供が可能です。
5 中外製薬株式会社
  抗体

中外製薬は、抗体創薬のパイオニア企業の一つです。独自の抗体技術で高い競争優位性を築いています。独自の抗体技術はpH依存的に結合し薬効を持続させる「リサイクリング抗体」、がん組織などで活性化し安全性を高める「スイッチ抗体™」、2種の抗原に結合する「バイスペシフィック抗体」等の技術により、副作用を抑えつつ投与回数を減らすなど、他社にはない多様な医薬品開発を可能にしています。
6 株式会社ペルセウスプロテオミクス
  ペルセウスプロテオミクスは、抗体創薬を中心に、研究支援や試薬販売を展開しています。ヒト抗体やVHHライブラリおよびシングルセル法などを活用することで、効率的かつ高精度な抗体の取得と最適化を可能としています。ヒト抗体、VHH、多重特異性抗体、ADCなどのモダリティを取り扱えます。
技術面での強みとしては、多様性の高いヒト抗体ライブラリに加え、重鎖のみで構成される特殊な抗体の割合が高いヒトコブラクダ由来のVHHライブラリを有している点が挙げられます。さらに、目的抗原発現細胞を用いた独自のスクリーニング法を確立しており、従来は抗体取得が困難だった複合体やGPCR等の標的に対しても、有効な抗体を獲得できることが大きな競争優位性となっています。
7 協和キリン株式会社
  協和キリンは「ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します」という経営理念のもと、日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして、先進的な抗体技術をはじめ多様な創薬技術を駆使し、病気と向き合う人々の笑顔のために、画期的な新薬を生み出すべく研究開発に日々挑んでいます。

協和キリンは、各種標的に対して治療用途に適用可能なヒト化抗体およびヒト抗体を作製するための、抗体関連技術および基盤を有しております。さらに、POTELLIGENT®技術をはじめとする抗体の活性増強技術や、バイスペシフィック抗体などの多様な抗体改変技術も保有しております。加えて、研究の進捗段階に応じて、適切な品質および数量の抗体を提供可能な自社生産設備を整えております。
8 株式会社S-Quatre
  S-Quatreは「乳歯歯髄幹細胞(SHED)」を活用した新規細胞治療の実用化を目指して研究開発を行う創薬企業です。SHEDは①ドナーチェンジ不要で製品ライフサイクルをカバーするほどの高い自己増殖能力と、②特に「神経再生・血管新生」に重要な成長因子を多く分泌する能力を有しており、細胞特性そのものを活かす第一世代SHEDは脳性麻痺や骨疾患を対象に、遺伝子改変等施した次世代型SHEDは脊髄損傷や脳腫瘍を対象に研究開発を進めています。
9 NANO MRNA株式会社
  NANO MRNAは、RNA医薬品の創出を中心とするRNA医薬品の研究開発企業です。モダリティは、siRNA、ASO(アンチセンスオリゴヌクレオチド)、mRNAとし、創薬研究および臨床開発を推進しています。技術的競争優位性は、製薬企業における創薬研究および臨床開発に豊富な経験を有する専門人材の存在に加え、mRNAおよびASO治療薬の開発実績、ならびに長年にわたるDDS研究に基づく知見を活用した、協業型・アジャイルな創薬プラットフォームの構築が挙げられます。
10 株式会社レボルカ
  レボルカは、AIタンパク質工学技術aiProtein®をコアに医薬と提携事業を展開しています。医薬事業では、aiProtein®によりデザインした高機能酵素を希少疾患向けmRNA医薬として開発しています。提携事業では、医薬、化学分野の企業と受託研究や共同研究を通してaiProtein®プラットフォームの提供を行っています。本技術は、アミノ酸配列と機能/物性の関係を紐づける独自AI技術により高い精度で自然界には存在しない高度に進化したタンパク質をデザインします。
11 KHネオケム株式会社
  KHネオケムは、糖鎖を高純度かつ大量に製造する独自技術の開発を進めています。糖鎖は、医薬品の薬効分子に結合させることで、血中滞留性の制御、生体適合性の向上、水溶性の向上、細胞特異性の付与、抗体ADCC活性、ADCP活性およびCDC活性の制御といった、付加的な機能性を持たせる材料として応用が可能です。

KHネオケムは、独自構造を含む糖鎖ライブラリを有し、求める効果に合わせた構造を提供することが可能です。
12 株式会社GenAhead Bio
  GenAhead Bioは、送達対象の核酸をトランスフェリン受容体(TfR, CD71)に対する抗体または抗体断片に結合させることで、抗体が集積する筋肉や心臓等の組織へ効率的な送達を可能にする技術を有しております。これら組織に対する核酸医薬品を開発中であれば、当社における抗体とのコンジュゲーションを通じて、疾患モデルマウスを用いた治療評価が可能になります。なお、抗TfR抗体は中枢神経系やリンパ球への送達実績もあり、これらの組織への応用も期待されます。
13 UBE株式会社
  UBEは、抗体薬物複合体(ADC)に関する技術を有しており、その中核となるのが、独自に開発したリンカー&ペイロード(L&P)技術です。本技術では、高親水性を持つUVH(UBE’s Versatile Hydrophilic)リンカーを導入することで、血中での安定性を向上させています。さらに、Auristatin E 誘導体をプロドラッグ化することで、off-target毒性を抑制し、高い安全性を実現しています。この結果、従来にはない高い有効性と安全性を兼ね備えた次世代ADC創製を可能となり、UBEの競争優位性を支える要素となっています。
14 バイエル薬品株式会社
  バイエルは、私たちのビジョン「Health for all, hunger for none」を実現するため、世界4拠点で運営するBayer Co.Labの日本拠点、Co.Lab Kobeを通じて、国内創薬スタートアップやアカデミア研究のインキュベーションならびに海外展開の支援など、製薬企業が持つ専門知識や経験およびライフサイエンス技術にもとづく様々なサポートを提供することで、外部のパートナーと共に、日本の創薬イノベーションエコシステムの活性化に取り組んでいます。
15 日産化学株式会社
  日産化学のNC核酸創薬プラットフォームは、①MCE(2'-O-[2-(N-Methylcarbamoyl)ethyl]-ribonucleoside)修飾アンチセンス/siRNA、②一本鎖ヘテロ核酸、③独自の配列設計アルゴリズムにより構成され、高い有効性・安全性を有するオリゴ核酸を提供しています。本核酸創薬プラットフォームを利用した自社創薬および製薬会社、アカデミアとの共同研究により、革新的核酸創薬に取り組み、研究開発ポートフォリオの構築を進めています。
16 株式会社Theta Therapeutics
  Theta Therapeuticsは、環状中分子特化型製剤を開発している大学発創薬スタートアップです。環状中分子は抗がん剤などの低分子、核酸や抗体などの高分子の中間の分子で、がんを始め様々な疾患に作用し、期待されていますが、自身の溶解性、毒性などで臨床試験、開発が中止することがあります。そこで弊社は、他の分子を利用することで環状中分子の化学構造を変えることなく製剤化し、溶解性や安全性向上、副作用の軽減を目指した製剤開発を進めています。
17 株式会社カイオム・バイオサイエンス
  カイオム・バイオサイエンスは、抗体医薬開発及び抗体関連技術に特化したバイオベンチャーです。創薬事業として複数の臨床・非臨床ステージの治療用抗体を自社開発しています。独自の技術として、新規抗体取得技術ADLib®システム、3重特異性抗体技術Tribody®、細胞ディスプレイによる抗体エンジニアリング技術などを保有しています。高品質タンパク作製に関する高いノウハウを製薬企業向けに提供する創薬支援事業の展開や、アカデミアシーズの実用化に向けた共同研究を多数実施しています。
18 エーザイ株式会社
  エーザイは、神経領域およびがん領域を重点領域とするグローバル研究開発企業で、医薬品の研究開発、製造、販売および輸出入を行っています。可溶性Aβプロトフィブリルがアルツハイマー病発症の原因であるコンセプトを持つBioArctic社との共同研究で得られたヒト化モノクローナル抗体レカネマブは、アルツハイマー病の進行を抑制し、認知機能と日常生活の機能を遅らせる世界初の治療薬として承認を取得しました。
19 株式会社Arrowsmith
  Arrowsmithは、薬剤耐性細菌感染症や難治性細菌感染症に対する新たな治療法「ファージセラピー」の社会実装を目指す創薬系スタートアップです。モダリティは細菌の天敵ウイルスである「ファージ」です。ファージの単離、特徴付け、機能解析の豊富な実績とノウハウに加えて、独自のファージ合成改変技術「Synthetic Engineering Platform」を有しています。これにより、有用機能を付加した改変型ファージを開発し、革新的ファージセラピーの創出を目指します。
20 DiveRadGel株式会社
  DiveRadGelは、樹状細胞を標的としたがん抗原送達技術を用いた、がんワクチン及び複合的がん免疫療法を開発しています。当送達技術であるヒアルロン酸ナノ粒子は、ペプチドがん抗原を自発的に封入し、リンパ節へそしてcDC1細胞に高効率でがん抗原を送達することで、高いCTL誘導を達成しています。mRNA/LNPプラットフォームのワクチンと比較して高い抗腫瘍効果を示し、保存安定性や1ステップ製剤工程等のCMCの観点でも優れた利点を有しています。
21 ユナイテッド・イミュニティ株式会社
  ユナイテッド・イミュニティは、独自のナノ粒子技術「Myeloid Targeting Platform™」を用いて、がん免疫治療薬やワクチン等の実用化を目指す創薬ベンチャーです。低分子化合物やmRNA等の有効成分を、ミエロイド細胞(マクロファージや樹状細胞)へ選択的に送達が可能であり、また、高い安全性や標的特異性が優れていることが特徴です。
22 ルクサナバイオテク株式会社
  ルクサナバイオテクは、アンチセンス医薬創薬プラットフォーム(LuxiAPTM)を基盤とした①製薬企業等との共同創薬、②人工核酸技術ライセンス、③自社創薬、および④人工核酸モノマーサプライチェーン構築の4領域を中心に、企業価値向上を目指した事業活動を展開し、医薬品開発の初期創薬に貢献しています。 全身投与におけるアンチセンス創薬候補の高活性化と肝毒性抑制、及び免疫刺激性抑制、さらに神経組織における高活性化と毒性抑制の実現が可能です。

今後の募集予定

会員企業の募集は令和7年度に1回実施済みです。
追加の会員募集の実施は未定ですが、実施する場合はAMEDのホームページに情報を掲載いたします。

(参考)
令和7年度の募集・入会に関するスケジュールは下記のとおりです。
(下記スケジュールが変更となる場合は、AMEDのホームページ等を通じて随時お知らせします。)

  1. 会員企業の募集開始:令和7年4月1日(火)
  2. 入会申込書の提出期限:令和7年5月9日(金)午後2時必着
  3. 入会申込書等の書面審査及び承認手続き:令和7年5月9日から7月上旬
  4. 入会承認書の発送:令和7年7月中旬
  5. 入会を承認された企業等の企業名又は団体名をAMEDのホームページに掲載:令和7年7月中旬

関連書類

規約等

最終更新日 令和7年9月3日