規制科学推進課 医薬品等規制調和・評価研究事業における令和2年度終了課題 事後評価結果について

1.事後評価の目的

医薬品等規制調和・評価研究事業では、研究開発課題等について、研究開発の実施状況、成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業の運営の改善に資することを目的とする。

2.評価概要

令和2年度に終了した23課題に対して、事後評価を行った。研究班から提出された事後評価報告書について、書面審査及びヒアリング審査を行い、課題評価委員会において総合評価を決定した。
課題評価委員会 開催日:令和3年7月2日(金)

3.評価項目

審査の評価項目は、次のとおり。

①研究開発達成状況

  • 研究開発計画に対する達成状況はどうか

②研究開発成果

  • 予定していた成果が着実に得られたか
  • 成果は社会的ニーズへ対応するものであるか
  • 成果は医療分野の進展に資するものであるか
  • 成果は新技術の創出に資するものであるか
  • 必要な知的財産の確保がなされたか

③実施体制

  • 研究開発代表者を中心とした研究開発体制が適切に組織されていたか
  • 十分な連携体制が構築されていたか
  • 必要に応じ、規制当局・関係者等との連携がなされたか

④今後の見通し

  • 今後、研究開発成果のさらなる展開が期待できるか

⑤事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目

  • 規制への反映が期待されるものか(ガイダンス案、標準的評価法等の策定につながるものか)
  • 生命倫理、安全対策に対する法令等を遵守していたか
  • 若手研究者のキャリアパス支援が図られていたか
  • 専門学術雑誌への発表並びに学会での講演及び発表など科学技術コミュニケーション活動(アウトリーチ活動)が図られていたか

⑥総合評価

  • 上記の評価項目①~⑤を勘案しつつこれらと別に評点を付し、総合評価をする。本事業はレギュラトリーサイエンス研究であることに鑑み、規制と密接に関連する評価項目①、③及び⑤を重視して総合評点を付する

4.評価結果一覧

課題評価委員については以下のPDFファイルをご覧ください。

令和2年度終了課題

研究開発課題名 代表者 所属 役職 事後評価報告書
(要旨)
漢方製剤・生薬製剤の品質確保等、国際調和及び承認関連基準等の整備に関する研究 袴塚 高志 国立医薬品食品衛生研究所 生薬部・部長 ダウンロード
医薬品の安全性及び品質確保のための医薬品規制に係る国際調和の推進に関する研究 平林 容子 国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター・センター長 ダウンロード
バイオ医薬品等の品質管理・安全性評価とガイドライン策定に関する研究 石井 明子 国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部・部長 ダウンロード
医薬品の製造工程・品質管理における先端的工程分析技術の導入に向けた技術的要件の標準化に関する研究 坂本 知昭 国立医薬品食品衛生研究所 薬品部・室長 ダウンロード
医薬品の品質管理・製造法管理及び変更管理の新たな手法の評価法に関する研究 柴田 寛子 国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部・室長 ダウンロード
抗生物質の品質評価手法の標準化に関する研究 鈴木 里和 国立感染症研究所 薬剤耐性研究センター・室長 ダウンロード
医薬部外品及び化粧品に配合される成分によるアレルギー発症の防止に関する研究 安達 玲子 国立医薬品食品衛生研究所 生化学部・室長 ダウンロード
医薬品製造工程管理における微生物学関連試験法の導入と評価に関する調査研究 菊池 裕 千葉県立保健医療大学 健康科学部栄養学科・教授 ダウンロード
医薬品リスク管理計画制度の充実と効果の向上のための基盤研究 成川 衛 学校法人北里研究所 北里大学薬学部臨床医学(医薬開発学)・教授 ダウンロード
個別症例安全性報告における医薬品識別情報の国際規格への円滑な国内対応に向けた課題の調査・整理等に関する研究 佐井 君江 国立医薬品食品衛生研究所 医薬安全科学部・室長 ダウンロード
セルフメディケーションの推進を見据えた、要指導・一般用医薬品の情報提供のあり方に関する研究 望月 眞弓 学校法人慶應義塾 慶應義塾大学薬学部・特任教授 ダウンロード
リアルワールドデータ等の新たなデータソースの規制上の利用等とその国際規制調和に向けた課題の調査・整理等に関する研究 中村 治雅 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター 臨床研究支援部 臨床研究支援室・室長 ダウンロード
患者・消費者向けの医薬品等情報の提供のあり方に関する研究 山本 美智子 国立大学法人熊本大学 大学院生命科学研究部・客員教授 ダウンロード
特殊免疫グロブリンの遺伝子組換え血液製剤の製造等に関するレギュラトリーサイエンス研究 佐竹 正博 日本赤十字社 血液事業本部中央血液研究所・所長 ダウンロード
医療機器の規制環境と国際標準化推進支援体制の整備に関する研究 蓜島 由二 国立医薬品食品衛生研究所 医療機器部・部長 ダウンロード
ヒトiPS分化細胞技術を応用した医薬品の心毒性評価法の開発と国際標準化に関する研究 諫田 泰成 国立医薬品食品衛生研究所 薬理部・部長 ダウンロード
ヒト又は動物細胞加工製品の品質・安全性・有効性確保のための評価法開発及びガイドライン策定に関する研究 佐藤 陽治 国立医薬品食品衛生研究所 再生・細胞医療製品部・部長 ダウンロード
アンチセンス医薬品の品質及び安全性評価に関する研究 井上 貴雄 国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子医薬部・部長 ダウンロード
次世代型中分子ペプチド医薬品の品質及び安全性確保のための規制要件に関する研究 出水 庸介 国立医薬品食品衛生研究所 有機化学部・部長 ダウンロード
神経障害性疼痛治療薬の臨床評価ガイドラインの策定に関する研究 竹下 克志 学校法人自治医科大学 医学部整形外科学講座・教授 ダウンロード
薬物代謝酵素CYP2C19等を欠損したヒトiPS細胞由来肝細胞の作製と創薬応用 高山 和雄 国立大学法人京都大学 iPS細胞研究所・講師 ダウンロード
抗悪性腫瘍薬の臨床評価ガイドラインに関する研究 南 博信 国立大学法人神戸大学 大学院医学研究科・教授 ダウンロード
生殖能を有する者に対する医薬品の適正使用に関する情報提供のあり方の研究 鈴木 直 学校法人聖マリアンナ医科大学 医学部産婦人科学・教授 ダウンロード

総評

今回の事後評価の対象である23課題は、会合審査において、概ね「総合的に計画した成果が得られた」と評価された。事後評価結果と評価委員より出された意見については、研究開発代表者にフィードバックした。

最終更新日 令和3年10月12日