規制科学推進課 臨床研究・治験推進研究事業における令和3年度終了課題 事後評価結果について
1.事後評価の目的
研究開発課題等について、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業の運営の改善に資することを目的とする。
2.評価概要
令和3年度に終了した20課題に対して、事後評価を行った。研究班から提出された事後評価報告書について、書面審査及びヒアリング審査を行い、課題評価委員会において総合評価を決定した。
事後評価委員会
- 書面審査:
- 令和4年6月15日(水)~令和4年7月15日(金)
- 課題評価委員会:
- 令和4年7月29日(金)
- 課題評価委員:
- 課題評価委員一覧
3.評価項目
審査の評価項目は、次のとおり。
1. 研究開発達成状況
- 研究開発に対する達成状況はどうか
2. 研究開発成果
- 当初計画していた成果が着実に得られたか
- 成果は医療分野の進展に資するものであるか
- 成果は新技術の創出に資するものであるか
- 成果は社会的ニーズへ対応するものであるか
- 必要な知的財産の確保がなされたか
3. 実施体制
- 研究開発代表者を中心とした研究開発体制が適切に組織されていたか
- 十分な連携体制が構築されていたか
4. 今後の見通し
- 今後、研究開発成果のさらなる展開が期待できるか
5. 事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
- 成果の企業への導出や実用化につながることが見込まれるか
- 生命倫理、安全対策に対する法令等を遵守していたか
- 専門学術雑誌への発表並びに学会での講演及び発表など科学技術コミュニケーション活動(アウトリーチ活動)が図られていたか
6. 総合評価
- 臨床研究・治験推進研究事業における研究開発課題評価実施要綱のⅥ.3.に定める10段階評価により、上記の評価項目1~5を勘案しつつ、これらと別に評点を付し、総合評価をする。
4.評価結果一覧
令和3年度終了課題
研究開発課題名 | 研究開発 代表者 |
所属機関 | 役職 | 事後評価報告書 |
---|---|---|---|---|
がん領域Clinical Innovation Network事業による超希少がんの臨床開発と基盤整備を行う総合研究 | 米盛 勧 | 国立がん研究センター | 科長 | 事後評価報告書 |
進行小児固形腫瘍に対するオラパリブを用いた治療法開発 | 高木 正稔 | 東京医科歯科大学 | 准教授 | 事後評価報告書 |
産学連携全国がんゲノムスクリーニング(SCRUM-Japan)患者レジストリを活用した BRAF遺伝子変異陽性切除不能進行・再発大腸がんを対象にした医師主導治験 | 吉野 孝之 | 国立がん研究センター | 科長 | 事後評価報告書 |
小児がんレジストリーを用いた転移性肝芽腫に対する薬剤開発戦略としての国際共同臨床試験 | 檜山 英三 | 広島大学 | 教授 | 事後評価報告書 |
産学連携全国がんゲノムスクリーニング(SCRUM-Japan)患者レジストリを活用した HER2陽性の切除不能または再発胆道癌に対する医師主導治験 | 森実 千種 | 国立がん研究センター | 医長 | 事後評価報告書 |
糖尿病合併冠動脈疾患レジストリを基盤としたコルヒチン第3相検証的試験の実施とRCT On Registryに向けたレジストリデータの品質管理と標準化に関する研究 | 植田 真一郎 | 琉球大学 | 教授 | 事後評価報告書 |
限局性皮質異形成II型のてんかん発作に対するシロリムスの有効性と安全性に関する無対照非盲検医師主導治験 | 加藤 光広 | 昭和大学 | 教授 | 事後評価報告書 |
神経線維腫症II型に対するベバシズマブの有効性及び安全性を検討する多施設共同二重盲検無作為化比較治験 | 藤井 正純 | 福島県立医科大学 | 教授 | 事後評価報告書 |
膵がん患者を対象とした、新規LAT1阻害剤の安全性と有効性を探索する医師主導臨床治験 | 竹原 徹郎 | 大阪大学 | 教授 | 事後評価報告書 |
心臓カテーテル検査・治療中に生じる難治性冠攣縮に対するファスジルの有効性及び安全性に関する無作為化、プラセボ対照二重盲検比較試験(医師主導治験) | 下川 宏明 | 東北大学 | 客員教授 | 事後評価報告書 |
びまん型腱滑膜巨細胞腫(色素性絨毛結節性滑膜炎)及び根治切除不能な限局型腱滑膜巨細胞腫(腱鞘巨細胞腫)患者に対するザルトプロフェンのプラセボ対照ランダム化二重盲検比較試験(多施設共同医師主導治験) | 土屋 弘行 | 金沢大学 | 教授 | 事後評価報告書 |
治験・臨床試験を機動的かつ円滑に実施するためのサポート機能に関する研究 | 猪口 雄二 | 日本医師会 | 副会長 | 事後評価報告書 |
アレクチニブの未治療ALK陽性未分化大細胞型リンパ腫common typeに対する第II相医師主導治験 | 森 鉄也 | 聖マリアンナ医科大学 | 病院教授 | 事後評価報告書 |
経口セマグルチドによるパーキンソン病の疾患修飾療法に関する研究開発 | 木村 康義 | 大阪大学 | 助教 | 事後評価報告書 |
膜性腎症によるネフローゼ症候群に対するリツキシマブを用いた治験プロトコル作成 | 田中 章仁 | 東海国立大学機構名古屋大学 | 病院助教 | 事後評価報告書 |
アンドロゲンレプター陽性進行期乳房外パジェット病に対する抗アンドロゲン療法第II相臨床試験(EMPD_AA) | 中村 善雄 | 慶應義塾 | 助教 | 事後評価報告書 |
大量ガンマグロブリン抵抗性川崎病を対象としたアナキンラ多施設共同医師主導治験 プロトコル作成に関する研究 | 森 雅亮 | 聖マリアンナ医科大学 | 病院教授 | 事後評価報告書 |
福山型先天性筋ジストロフィー患者における内服ステロイド薬の治験 | 石垣 景子 | 東京女子医科大学 | 准教授 | 事後評価報告書 |
IgG4自己抗体陽性の慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)患者を対象としたリツキシマブの有効性と安全性評価に関する多施設共同臨床試験 | 飯島 正博 | 東海国立大学機構名古屋大学 | 特任准教授 | 事後評価報告書 |
小児・AYA世代がんのシスプラチン投与による内耳毒性軽減のためのチオ硫酸ナトリウムの有効性試験の構築 | 檜山 英三 | 広島大学 | 教授 | 事後評価報告書 |
総評
今回の事後評価の対象である20課題は、会合審査において、概ね「総合的に計画した成果が得られた」と評価されたが、一部で今後は戦略の見直しが必要であると評価された課題もあった。
事後評価結果と評価委員より出された意見については、研究開発代表者にフィードバックした。
最終更新日 令和4年11月21日