医療技術研究開発課 移植医療技術開発研究事業における令和元年度 課題評価結果について

令和元年度「移植医療技術開発研究事業(以下、本研究事業)」の中間評価及び事後評価結果を公表します。

中間評価

1.中間評価の趣旨

中間評価は、課題等について情勢の変化や研究開発の進捗状況等を把握し、これを元に適切な予算配分や課題の中断・中止を含めた研究開発計画の見直しの要否の確認等を行うことにより研究開発運営の改善及び機構の支援体制の改善に資することを目的として実施します。

本研究事業では、評価委員会を以下の日程で開催し、本研究事業における中間評価の評価項目に沿って、書面審査及び面接(ヒアリング審査)にて評価を実施しました。

2.中間評価委員会

開催日:令和2年1月17日

3.中間評価対象課題

4.中間評価委員

5.評価項目

  • 研究開発進捗状況
  • 研究開発成果
  • 実施体制
  • 今後の見通し
  • 事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
  • 総合評価

6.総評

臓器移植では「臓器の移植に関する法律」、造血幹細胞移植では「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」により、安全かつ公平な移植医療の実施が求められています。
本研究事業は、造血幹細胞移植、臓器移植および組織移植について、これまでの研究により得られた知見を生かし、ドナー・患者双方の安全性確保や治療成績向上、長期生存率の上昇のための治療法開発並びに合併症対策につながる研究の推進を目標としています。

評価委員会では、1課題を評価対象としました。

評価対象となった1課題は、肺移植における体外肺灌流保存を用いたマージナルドナー肺の治療に関する研究を行っていますが、評価時点において、臨床導入のための体制は整っているものの対象症例が1例もなく、「計画どおりの進捗が認められていない」と評価されました。

しかし、EVLPの臨床導入は本邦におけるドナー不足解消や移植待機期間の短縮への貢献が期待されること、既に臨床導入のための体制は整っており、残りの研究期間で臨床導入できる可能性は残っていること、等を勘案すると、「現時点の進捗状況を踏まえた計画変更と経費の適正化を図ったうえで研究を継続することが適切」とのコメントが示されました。

事後評価

1.事後評価の趣旨

事後評価は、課題等について、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業等の運営の改善に資することを目的として実施します。

本研究事業では、評価委員会を以下の日程で開催し、本研究事業における事後評価の評価項目に沿って、評価対象課題別に書面審査にて評価を実施しました。

2.事後評価委員会

開催日:令和2年1月17日

3.事後評価対象課題

4.事後評価委員

5.評価項目

  • 研究開発達成状況
  • 研究開発成果
  • 実施体制
  • 今後の見通し
  • 事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
  • 総合評価

6.総評

臓器移植では「臓器の移植に関する法律」、造血幹細胞移植では「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」により、安全かつ公平な移植医療の実施が求められています。
本研究事業は、造血幹細胞移植、臓器移植および組織移植について、これまでの研究により得られた知見を生かし、ドナー・患者双方の安全性確保や治療成績向上、長期生存率の上昇のための治療法開発並びに合併症対策につながる研究の推進を目標としています。

評価委員会では、今年度で終了する5課題を対象としました。

評価対象となった5課題は全て「計画どおりの進捗と成果が認められた」と評価されました。

特に、同種造血幹細胞移植患者におけるステロイド抵抗性/依存性腸管急性移植片対宿主病(GVHD)に対する便微生物移植の有効性に関する研究、造血細胞移植登録一元管理レジストリデータを活用した移植成績向上に関する研究は、計画以上の進捗と優れた成果が得られたとして高く評価されました。

掲載日 令和2年3月4日

最終更新日 令和2年3月4日