疾患基礎研究課 腎疾患実用化研究事業における平成30年度 課題評価結果について

平成30年度「腎疾患実用化研究事業」の事後評価結果を公表します。

事後評価

1.事後評価の趣旨

事後評価は、課題等について、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業等の運営の改善に資することを目的として実施します。

腎疾患実用化研究事業(以下、本研究事業)では、評価委員会を以下の日程で開催し、本研究事業における事後評価の評価項目に沿って、評価対象課題別に書面審査にて事後評価を実施しました。

2.事後評価委員会

開催日:平成30年11月29日

3.事後評価対象課題

4.事後評価委員

5.評価項目

  • 研究開発達成状況
  • 研究開発成果
  • 実施体制
  • 今後の見通し
  • 事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
  • 総合評価

6.総評

本事業は、国民の健康に重大な影響を及ぼしている慢性腎臓病(CKD)に対し、「今後の腎疾患対策のあり方について」(平成20 年3 月 腎疾患対策検討会)の提言に基づき、研究開発を通じた対策の実践を進めることを目標としています。

評価委員会では、今年度終了の2課題の評価を行いました。
メガリンを標的とした腎機能温存療法の開発に関する研究では、メガリンと進行性腎障害・急性腎障害との関わりに関する基礎的研究に加え、メガリンを標的とした薬物療法により慢性腎障害の進行防止、急性腎障害の発症予防が可能であることを示し、それらの成果を複数の論文発表や特許申請につなげた点が高く評価されました。
再生腎臓による実践的前臨床試験に関する研究については、透析患者由来の iPS 細胞をネフロン前駆細胞まで分化誘導させることと、動物のネフロン前駆細胞を用いて、異種動物内で腎臓原器を作成することに成功しており、新規性・独創性の点で非常に高く評価された一方で、ヒトに応用するには、ヒト以外由来の細胞の除去や再生腎臓の移植後の機能確認などについてさらなる検討が必要と指摘されました。 

最終更新日 平成30年12月27日