疾患基礎研究課 腎疾患実用化研究事業における令和2年度 課題評価結果について

令和2年度「腎疾患実用化研究事業」の事後評価結果を公表します。

事後評価

1.事後評価の趣旨

事後評価は、課題等について、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業等の運営の改善に資することを目的として実施します。

腎疾患実用化研究事業(以下、本研究事業)では、評価委員会を以下の日程で開催し、本研究事業における事後評価の評価項目に沿って、評価対象課題別に書面審査にて事後評価を実施しました。

2.事後評価委員会

開催日:令和3年8月2日

3.事後評価対象課題

4.事後評価委員

5.評価項目

  • 研究開発達成状況
  • 研究開発成果
  • 実施体制
  • 今後の見通し
  • 事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
  • 総合評価

6.総評

本事業では、「腎疾患対策のさらなる推進を目指して」や「医療分野研究開発推進計画」等に基づき、腎疾患の病態解明や診断法の開発、治療法の開発、ガイドライン作成および更新に資するエビデンス創出など、新規透析導入患者減少の早期実現を目的とした研究を推進しています。

2018年度に「IgA腎症の早期発見・早期診断法の実用化研究」、「腎の機能維持に資する長期観察コホート研究」及び「腎移植の治療成績向上に資する研究」の3分野に対して公募を行い、課題評価委員会による審査を経て3課題を採択いたしました。今回の評価委員会では、2018年度に採択し、2020年度に終了したこれらの3課題の事後評価を実施いたしました。

国際展開をふまえた新規バイオマーカーを用いたスコア法によるIgA腎症早期発見・早期診断を介した透析移行ゼロ化に向けた試みでは、バイオマーカー診断スコア法によりIgA腎症が診断できる方向性を示す貴重な成果がみられたことから目的を達成していると評価されました。診療連携・国際連携をも視野にいれた生活習慣病、CKDの診療の質向上に直結する多施設長期コホート研究では、多施設コホート研究等の多くのデータ解析からCKD診療に有用な知見を得るとともにその成果を多くの国際誌に論文発表していることが高く評価されました。マージナルドナー腎移植の安全性に関する新規エビデンス創出研究では腎移植2,600例の献腎移植ドナーデータの電子化整備を進めるなど計画した研究が着実に進捗していることが高く評価されました。

最終更新日 令和3年9月3日