疾患基礎研究課 腎疾患実用化研究事業における令和3年度 課題評価結果について

令和3年度「腎疾患実用化研究事業」の事後評価結果を公表します。

事後評価

1.事後評価の趣旨

事後評価は、課題等について、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業等の運営の改善に資することを目的として実施します。

腎疾患実用化研究事業(以下、本研究事業)では、評価委員会を以下の日程で開催し、本研究事業における事後評価の評価項目に沿って、評価対象課題別に書面審査にて事後評価を実施しました。

2.事後評価委員会

開催日:令和4年9月15日

3.事後評価対象課題

4.事後評価委員

5.評価項目

  • 研究開発達成状況
  • 研究開発成果
  • 実施体制
  • 今後の見通し
  • 事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
  • 総合評価

6.総評

本事業では、「腎疾患対策のさらなる推進を目指して」や「医療分野研究開発推進計画」等に基づき、腎疾患の病態解明や診断法の開発、治療法の開発、ガイドライン作成および更新に資するエビデンス創出など、新規透析導入患者減少の早期実現を目的とした研究を推進しています。

2019年度に「腎疾患に対する独創的な病態解明研究」、「腎臓をターゲットにした画期的治療法の開発「シーズ探索」」の2分野に対して公募を行い、課題評価委員会による審査を経て3課題を採択しました。今回の評価委員会では、2019年度に採択し、2021年度に終了したこれらの3課題の事後評価を実施しました。

「炎症の収束に着目した腎疾患の病態解明」では、炎症収束に重要な鍵分子が炎症終息機序に迫り、治療標的として効果的な治療法開発に寄与する研究成果を得ていることが、高く評価されました。「腎疾患におけるアミノ酸キラリティを標的とした分子病態の解明研究」では、腎障害に対してヒト血中 D-アミノ酸の意義をモデルマウスやヒト検体を用いて明らかにしたことから目的を達成していると評価されました。「メガリンをターゲットにした急性腎障害および慢性腎臓病の創薬研究」では、治療標的と見込んだ腎エンドサイトーシス受容体の役割解明だけでなく同タンパクの構造解析に成功し、創薬に向けて数々の研究プロジェクトを進捗させていることが高く評価されました。

最終更新日 令和4年10月26日