疾患基礎研究課 腎疾患実用化研究事業における令和5年度 課題評価結果について
令和5年度「腎疾患実用化研究事業」の事後評価結果を公表します。
事後評価
1.事後評価の趣旨
事後評価は、課題等について、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業等の運営の改善に資することを目的として実施します。
腎疾患実用化研究事業(以下、本研究事業)では、評価委員会を以下の日程で開催し、本研究事業における事後評価の評価項目に沿って、評価対象課題別に書面審査にて事後評価を実施しました。
2.事後評価委員会
開催日:令和6年8月1日
3.事後評価対象課題
4.事後評価委員
5.評価項目
- 研究開発達成状況
- 研究開発成果
- 実施体制
- 今後の見通し
- 事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
- 総合評価
6.総評
本事業では、「腎疾患対策のさらなる推進を目指して」(平成30年7月)に基づき、腎疾患の病態解明や診断法の開発、治療法の開発、ガイドライン作成および更新に資するエビデンス創出など、新規透析導入患者減少の早期実現を目的とした研究を推進しています。
2021年度に「腎臓をターゲットにした画期的治療法の開発」の1分野に対して公募を行い、課題評価委員会による審査を経て3課題を採択しました。今回の評価委員会では、2021年度に採択し、2023年度に終了した3課題の事後評価を実施しました。
「慢性腎臓病に対するリアノジン受容体安定化薬併用療法の開発」については、病態解明研究が概ね計画通り行われました。また、リアノジン受容体安定化薬の慢性腎臓病(CKD)と蛋白尿及び糸球体硬化の進展抑制効果に対する特許出願が行われた点が評価されました。
「日本発の特異的かつ可逆的Keap1阻害薬開発に繋がる腎病態改善アプローチの探索」については、Keap1阻害薬と既存薬との併用により各単剤以上に腎保護効果を示し、実用化に向けた取組を進めた点が評価されました。
「腎臓オルガノイドを用いた腎線維化修飾遺伝子の探索」については、腎線維化に関連する遺伝子を同定し線維化シグナルの解析を進めたとともに、同定遺伝子をターゲットとした腎線維化治療薬の検証まで行われたことが高く評価されました。
最終更新日 令和6年9月12日