疾患基礎研究課 エイズ対策実用化研究事業における令和6年度課題評価結果について
令和6年度「エイズ対策実用化研究事業」の事後評価結果を公表します。
事後評価
1.事後評価の趣旨
事後評価は、課題等について、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開および事業等の運営の改善に資することを目的として実施します。
エイズ対策実用化研究事業(以下、本研究事業)では、課題評価委員会を以下の日程で開催し、本研究事業における事後評価の評価項目に沿って、評価対象課題別に書面審査・ヒアリング審査にて事後評価を実施しました。
2.事後評価委員会
開催日:令和7年1月12日
3.事後評価対象課題
開始 年度 (令和) |
終了 年度 (令和) |
研究開発 代表者名 |
所属機関名 | 役職 | 研究開発課題名 |
---|---|---|---|---|---|
4 | 6 | 佐藤 賢文 | 熊本大学 | 教授 | 革新的核酸解析技術によるHIV潜伏感染機序の解明と克服のための研究 |
4 | 6 | 松下 修三 | 熊本大学 | 特任教授 | 中和抗体によるHIV感染症の治癒を目指した研究開発 |
4 | 6 | 勝田 陽介 | 熊本大学 | 准教授 | Staple核酸を用いたHIV感染症の新たな治療法に関する研究基盤の創出 |
4 | 6 | 小谷 治 | 国立感染症研究所 | 室長 | Gag前駆体Pr55Gagdisordered領域の構造生物学と創薬 |
4 | 6 | 齊藤 暁 | 宮崎大学 | 准教授 | 新規抗HIV-1宿主因子の抗ウイルス作用メカニズム解明と動物モデル開発への応用 |
4 | 6 | 近田 貴敬 | 熊本大学 | 特任講師 | イムノペプチドミクス解析を用いたHIV-1完治療法を目指した研究 |
4 | 6 | 永田 尚義 | 東京医科大学 | 准教授 | ヒト微生物叢を介した腸管免疫応答から紐解くHIV感染者の非AIDS関連がんの発症機序 |
4 | 6 | 菊地 正 | 国立感染症研究所 | 主任研究官 | 国内流行HIV及びその薬剤耐性株の長期的動向把握に関する研究 |
4 | 6 | 木村 公則 | 東京都立駒込病院 | 部長 | 血友病合併HIV/HCV重複感染に起因する肝硬変に対する抗線維化治療薬の開発 |
(順不同)
4.事後評価委員
氏名 | 所属・役職 |
---|---|
味澤 篤 | 東京都立駒込病院 感染症科非常勤 |
神奈木 真理 | 関西医科大学医学部微生物学講座 客員教授 |
鍬田 伸好 | 国立国際医療研究センター研究所難治性ウイルス感染症研究部レトロウイルス感染症研究室 室長 |
杉浦 亙 | 国立国際医療研究センター臨床研究センター センター長< |
谷 裕美子 | 元・株式会社バイオジェン・ジャパン 元・メディカル本部長 |
横野 恵 | 早稲田大学社会科学部 准教授 |
横幕 能行 〇 | 国立病院機構名古屋医療センターエイズ総合診療部 部長 |
〇:委員長(五十音順、敬称略、令和7年1月12日現在)
5.評価項目
- 研究開発達成状況について
- 研究開発成果について
- 実施体制
- 今後の見通し
- HIV/エイズ対策の推進
- 研究を終了するにあたり確認すべき事項
6.総評
治療薬の進歩により、HIVに感染しても致死的状況を回避できるようになりましたが、HIV感染症自体は治癒することはなく、HIV感染の治療には長期の薬剤服用が必要であり、薬剤耐性ウイルスの出現、感染者のQOLの向上や医療経済上の負担軽減の観点から、治癒を目指した研究が重要な課題となっています。この課題を克服するため、本研究事業では、感染機構の解明等の基礎研究から実用化研究まで、HIV感染症の根本的解決につながるHIV感染症の根治療法に資する研究を推進しています。また、HIV感染症の関連病態の解析も推進しています。
評価委員会では、令和6年度に終了する9課題を対象としました。総合評点の結果は、「良い」が3件、「優れている」が4件、「大変優れている」が2件と評価されました。
大変優れていると評価された課題は、「革新的核酸解析技術によるHIV潜伏感染機序の解明と克服のための研究」、「血友病合併HIV/HCV重複感染に起因する肝硬変に対する抗線維化治療薬の開発」でした。
掲載日 令和7年3月14日
最終更新日 令和7年3月14日