国際事業課 HFSPフェローシップ申請の手引き
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HFSPフェローシップの概要
HFSPのポスドク・フェローシップ・プログラムは、キャリアの初期にある研究者が国外において新しい研究分野に移動することで幅広い研究スキルを身につけることを支援しています。
HFSPフェローシップには次の2種類のものがあります。
長期フェローシップ Long-Term Fellowships(LTF)
生命科学分野で博士号を取得し、それまでのPhD取得時又はポスドク研究分野から有意に異なる専門分野へ幅を広げる研究活動を国外の研究室で行いたいと考えている研究者を支援するものです。
学際的フェローシップ Cross-Disciplinary Fellowships(CDF)
生命科学以外の分野(例えば、物理科学、化学、数学、工学、コンピューターサイエンス)で博士号を取得し、生命科学の分野の研究を行いたいと考えている研究者を支援するものです。
対象 | 助成期間 | 助成金額 |
---|---|---|
博士号取得後3年以内 | 3年 | 生活手当約18万ドル(3か年の合計)+研究費約7.2千ドル(毎年)[米国の受入機関でフェローシップ研究を行う場合] |
応募資格
- いかなる国籍であっても及びいかなる国を本拠とする研究者であっても応募申請をすることができます。ただし、HFSPOメンバー国のいずれの出身でもない申請者が選択できるのは、HFSPOメンバー国内の研究機関のみに限られます。HFSPOメンバー国出身の申請者は、どこの国の研究機関でも申請することができます。なお、HFSPOメンバー国出身者とは、メンバー国のいずれかの国籍を有することを意味します。
- フェローシップ開始時点(又は2022年12月31日まで)において、博士号(Ph.D)またはそれに相当する学位(例えば研究活動を中心とする医師資格もしくは医学博士号(MD))を取得しており、かつ、基礎研究活動経験を有することが条件となります。
ただし、学位取得見込みの場合も許容されますので、申請の時点では必須ではありません。また、既に学位取得済の場合は、申請締切日の3か年前までの取得日(今回は、2018年9月27日から2021年9月27までの期間)であることが必要です。 - 申請者は、Letter of Intent提出締切日時点で、申請者が主執筆者となっている論文の最低でも1点が、認知されたOAプリプリントとして出版され、又は査読付きの学術誌に受理されているか、印刷中、若しくは既に出版されていることが必要です。
申請手続きについて
2022年度採択のフェローシップ・プログラム(長期フェローシップ Long-Term Fellowships(LTF)及び学際的フェローシップ Cross-Disciplinary Fellowships(CDF))への申請手続きから、新たにオンライン方式(ProposalCentral)を通じた2段階の提出手続きによることになりました。
まず、申請者は第1段階では「Letter of Intent (LOI:概要申請書)」の提出を求められ、審査委員会の選考により優良申請と評価された場合は、第2段階として「Full Application (詳細申請書)」の提出を求められます。
研究活動を国外の研究室で行いたいと考えている研究者を支援するものです。
応募方法及び締切日等:
あらゆる申請手続き (LOIs 及び Full Applications) はProposal Central (下記)を通じて行う必要があります。
Proposal Central(申請書提出用ウェブサイト)
(注:応募者は、上記にてProposal Centralのアカウントを作成する必要があります。)
審査基準
申請者について
- 経歴と研究実績
- 推薦者(照会先)(referees)からの評価
- 将来のキャリアについて明確なビジョンをもっているか
研究プロジェクトについて
- 革新的、独創的、挑戦的であるか
- 申請者本人の提案であるか
- 研究の方向性をこれまでの研究分野から変えているか
受入機関指導者および受入研究室について
- 一流の確立した研究室あるいは新進気鋭の研究室であるか
- 施設が充実しているか
- 受入機関指導者が強く支持しているか
- 受入機関指導者は優れた研究者であるか
申請・審査の流れ
令和3年(2021年)4月中下旬 フェローシップ申請書ダウンロード開始(オンライン申請:5月3日~)
- 今年度から、2段階方式の申請・審査となりました。ガイドラインが公開され、提出締切り日などが発表されました。応募の前に必ず確認してください。
- Application guidelines(長期フェローシップ)
- Application guidelines(学際的フェローシップ)
- 新しいシステムProposal Central での登録受付は5月3日からですが、応募者は一旦Proposal Centralのアカウントを作成する必要があり、その作業は既に実行可能です。
令和3年(2021年)5月下旬 フェローシップ申請(Letter of Intent:概要申請)締切
- 申請書提出用ウェブサイトが開設されています(5月3日から申請可能)。
- 申請書(Letter of Intent:概要申請)の提出に先立ち、申請(予定)者は、2021年5月26日午後1時(米国東部時間)までに申請受付システム(proposalcentral)において登録手続き(initiation)を行います。(上記ガイドラインを参照ください)
- 申請者からのLOI(概要申請)の提出締切は、2021年5月27日午後1時(米国東部時間)です。
- ‘Letter of Intent’ (LOI) に記載すべき事項は下記のとおりです。(上記ガイドラインを参照ください)
- 申請課題名(title of proposal)
- 申請研究計画のキーワード(keywords of proposed research plan)
- 申請研究計画の概要(この研究計画概要は「詳細申請 (Full Application)の際の概要としても用いられます」
- 申請者の個人情報(personal information)
- 履歴書(CV)
- 取得学位(PhD)の研究分野及び表題
- 申請に係る受入研究指導者及び受入研究機関に関する事項
- 受入研究指導者との既存の協力関係及び共著論文(該当ある場合)
- 受入研究指導者が応募申請の件を承知しており、かつ、支持していることの確認
- 出版物一覧(予備的でよく、後日最新のものに変更可)
令和3年(2021年)9月下旬 Full Application(詳細申請)提出締切
- フェローシップ審査委員によるLOI審査の結果、高い評価を得た申請者のみ、Full Application(詳細申請)の提出が要請されます。
- Full Application(詳細申請)の提出期限は、2021年9月27日午後1時(米国東部時間)です。
- フェローシップ審査委員会で議論の上、採択候補課題が選定されます。
令和3年(2022年)3月下旬 受賞者(Awardee)の発表
受賞候補者(フェローシップ・プログラム採択候補者)は、HFSPO科学者会議の推薦、HFSPO理事会による承認を得て発表されます。
助成内容
フェローシップ助成額
3年間で18万1千356 米ドル相当の生活費、年間7,200米ドル相当の研究費・旅費が支給されます。(年間5,946米ドル相当の1名当たりの児童手当あり)。(米国の受入機関でフェローシップ研究を行う場合。他の国の場合については上記ガイドラインを参照ください)
受給内容(フェローシップ手当)
- ①生活手当
- 生活手当は、生活に必要な手当であり、受入機関で指導を受けている間の生活費を賄うために支給されます。生活手当はフェローシップを行う国の通貨レートに応じて支払われます。フェローがフェローシップの最終年度に自国に帰国、または他の HFSPOメンバー国に移動する場合は、この移動先の国の通貨レートが適用されます。
- ②児童手当
- HFSPフェローに子供がいる場合、児童手当の支給を受けることができます。手当は子供1人ごとに支払われ、初年度の生活手当の約10%に相当します。フェローが他の財源から児童手当を支給される場合は、HFSPOからの児童手当からその金額が差し引かれます。
- ③研究費および旅費
- 研究・旅費手当は、研究プロジェクトを実施するための費用に充てるためのものです。 この手当は、フェローの研究の実施に必要な試料や資機材の費用として支給されます。フェローシップ資金を用いて購入された備品はすべて、フェローシップ終了後も、受入機関の所有物となります。ただし、受入先の指導者がフェローに所有権を認める場合はこの限りではありません。 この資金は、学会参加料や、別の機関の研究者との共同研究に関連する旅費として使用すること もできます。旅費は、実際に発生した費用を後から還付することとし、日当制としてはなりません。 これらの給付金は、当該機関の経費勘定の形で管理することが望まれます。フェローはこれらの手当の使途について説明する義務を持ち、支給された手当のうち実際に使用しなかった資金はHFSPOに返還しなければなりません。
1年間に支給される研究・旅費手当の総額を使い切る必要はありません。ある年度に使用されなかった資金はすべて、自動的に翌年度に繰り越されます。フェローが前年に支給された額を超えて出費した場合など、赤字になった場合もある年度から翌年度に繰り越されます。研究・旅費手当からの出費は、フェローシップの期間中のみ(中断期間は除く)を対象としています。 ただし、フェローがフェローシップの中断期間中にHFSP受賞者会合(Awardees Meeting)に出席した場合と、最終年のノーコストの延長期間は除きます。 - ④引越し手当
- 引越し手当は固定額で、自国と受入国を往復するフェローとその扶養家族の引越し代、例えば飛行機代、家財の輸送費、アパート賃貸契約の際の敷金に充てるためのものです。引越し手当はフェローに対して全額支払われ、いかなる控除もなされません。会計報告に計上する必要はありません。受領書(レシー ト)は必要ありません。 引越し手当は、フェローが受入国および自国への移動にかかる費用を、他のいかなる資金源からも得られない場合のみ支給されます(例えば、フェローシップ開始時に受入機関が支給したり、フェローシッ プ終了時に新たな雇用者が支給する場合は対象になりません)。フェローは引越し手当を受給する前に、この条件が満たされていることを正式に確認する必要があります。(金額等の詳細については、上記ガイドラインを参照ください)
- ⑤育児休暇手当
- HFSPフェローは、フェローシップ期間中最高3ヶ月の有給の育児休暇を取得することが可能です。育児休暇は、子供の誕生から 6ヶ月以内に取得する必要があります。また、フェローシップ期間中に誕生した子供のみに適用されます。フェローシップは、育児休暇の取得分延長され、その期間フェローは生活手当と児童手当の支給を受けることができます。3ヶ月以上の育児休暇も可能です(フェローシップ期間もその分延長されます)が、3ヶ月を超えた分はHFSPからの手当は受けられません。HFSPフェローが育児休暇に入る前にHFSPO事務局のFellowship Officeと受入れ先研究者/研究機関に育児休暇に入る旨を通知してください。
よくある質問(FAQs)
Q.審査の基準を教えてください。
A.提案されたプロジェクトが、HFSPOが支援する研究の科学的目的と合致しているかどうかを評価します。審査の基準となるのは、申請者の経歴と実績、出版物の質、研究プロジェク トと提案された共同研究の科学的優秀性、および研究の方向性の転換度です。審査においては これらの要素が等しく考慮され、募集要項に記載の審査基準に重み係数が適用されることはありません。HFSPのフェローシップに採択されるのは、質の高い研究に対する実績と熱意を備えた傑出した研究者です。選考段階では、申請者が現在何らかの助成を受けているか、または過去に受けたことがあるかも考慮されます。
Q.申請が不適格と判断される理由には、どのようなものがありますか。
A.主な不採択理由は次の通りです。
- 過去の受入機関の研究指導者や共同研究者と、再度研究をすることを目的としている。
- 筆頭執筆者となっている出版物がない。
- 受入国に12カ月を超えて居住したことがある。または受入機関で12カ月を超えて勤務したことがある。
- その他:すでに受入国に居住している。博士号を取得してから3年が過ぎている。受入国で博士号を取得している。
- プロジェクトの説明にまとまりがなく、目標設定があいまいで、実験計画が明瞭でない。
- 科学的観点から見た失格理由で最も多かったのは、HFSPOの支援対象分野と合致していないというものでした(臨床研究に重点を置いたプロジェクト、医薬品開発につながる新たな化合物の探求を主眼とするプロジェクト、環境関連のプロジェクト、疾病や医薬品開発に関するプロジェクト、農業や生態系に関するプロジェクトなど)。
Q.HFSPO非メンバー国の出身者でも、長期フェローシップまたは学際的フェローシップに応募することはできますか。
A.可能です。ただし、受入機関はHFSPOメンバー国から選んでください。
※その他詳細はHFSPO事務局のフェローシップオフィス(fellow@hfsp.org)にお問合せください。
最終更新日 令和3年4月22日