国際事業課 令和2年度「医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム SATREPS)」の中間評価結果
1.中間評価の趣旨
研究開発課題等について、情勢の変化や研究開発の進捗状況等を把握し、これを基に適切な予算配分や研究開発課題の中断・中止を含めた研究開発計画の見直しの要否の確認等を行うことにより、研究開発運営の改善及び機構の支援体制の改善に資することを目的とする。
2.評価者
医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム SATREPS)課題評価委員会において実施しました。ただし、評価委員長が適当と認めた者について、「利害関係者」に該当しないことを確認し、守秘義務を課した上で会合審査への同席を可能としました。
課題評価委員については以下のPDFファイルをご覧ください。
3. 中間評価対象課題
採択年度 | 課題名 | 研究代表者 | 研究機関 | 役職 | 相手機関 | 相手国 |
---|---|---|---|---|---|---|
平成29 | シャーガス病制圧のための統合的研究開発 | 嶋田 淳子 | 群馬大学 | 教授 | 教育省エルサルバドル科学技術研究センター | エルサルバドル |
平成29 | フィリピンにおける狂犬病排除に向けたワンヘルス・アプローチ予防・治療ネットワークモデル構築 | 西園 晃 |
大分大学 | 教授 | 熱帯医学研究所 | フィリピン |
4.課題評価委員会
令和2年12月16日(水)
5. 評価項目
①研究開発進捗状況(国際共同研究の進捗状況)について
- 研究開発計画に対する進捗状況はどうか
- 当初の研究計画から見た進捗状況や達成度等はどうか
- 新たな方向性や方針変更等、当初計画では想定されていなかった新たな展開が生じたか
②研究開発成果
- 成果が着実に得られているか
- 成果は地球規模課題並びに相手国側への医療分野の進展に資するものであるか
- 成果は新技術の創出に資するものであるか
- 成果は社会的ニーズに対応するものであるか
- 必要な知的財産の確保がなされているか
- 成果の科学的・技術的インパクト、国内外の類似研究と比較したレベルや重要度はどうか(質的な視点から)
③実施体制(国際共同研究の運営体制)について
- 研究開発代表者を中心とした研究開発体制が適切に組織されているか
- 十分な連携体制が構築されているか
- 研究チームの体制・遂行状況や研究代表者のリーダーシップは適当か
- 知的財産の獲得、国際標準化への取り組み、生物遺伝資源へのアクセスやデータ入手方法、生命倫理・安全対策に対
- する法令等の遵守は適切に実施されているか、またコンプライアンスに基づいた国際共同研究が実施されているか
- 研究費の執行状況は効率的・効果的か、研究費・購入機器は有効に活用されているか等
④科学技術の発展と今後の研究について
- 今後研究を進めていく上で問題点はないか
- 問題点がある場合は、研究内容等の変更が必要か
- その際にはどのように変更又は修正をすべきか
- 今後の研究開発計画は具体的で、明確な目標が設定されているか
- 今後見込まれる成果について
- 地球規模課題ならびに相手国側への科学技術向上への貢献、日本における科学技術の今後の展開・発展性が見込まれるか
- 日本の研究手法・制度・規格の普及など日本の科学技術がもたらした影響・効果、成果の社会的なインパクトの見通しはあるか
- 日本人人材の育成を実施しているか(日本人若手研究人材の育成、グローバル化に対応した日本人人材の育成等)
- 人的交流の構築がどのように見込まれるか(相手国側研究機関あるいは研究者の自立性・自主性)
- 成果を基とした研究・利用活動が持続的に発展していく見込みがあるか(政策等への反映、成果物の利用など)
- 生命倫理、安全対策に対する法令等を遵守しているか
- 若手研究者のキャリアパス支援が図られているか
- 専門学術雑誌への発表並びに学会での講演及び発表など科学技術コミュニケーション活動(アウトリーチ活動)が図られているか
- 計画の見直しが必要か
- 中断・注視等の措置が必要か
6.総評
今回の中間評価の対象課題は、平成29年度に採択した2課題が対象である。会合審査において、2課題ともに「計画した成果をやや上回る成果が得られた」と評価され、委託研究開発の継続が承認された。
また、会合審査で指摘された事項については、PS、PO の主導で指摘事項への対応を進めることが決められた。
最終更新日 令和3年5月10日