疾患基礎研究課 免疫アレルギー疾患等実用化研究事業(免疫アレルギー疾患実用化研究分野)における平成27年度 課題評価結果について

平成27年度「免疫アレルギー疾患等実用化研究事業(免疫アレルギー疾患実用化研究分野)」の中間評価及び事後評価結果を公表します。詳細は各項目をご覧ください。

中間評価

1.中間評価の趣旨

中間評価は、研究開発課題について、情勢の変化や研究開発の進捗状況を把握し、これを基に適切な予算配分や研究開発計画の見直し、課題の中断・中止を含めた研究開発計画変更の要否の確認等を行うことにより、研究開発運営の改善及び機構の支援体制の改善に資することを目標として実施します。

免疫アレルギー疾患等実用化研究事業(免疫アレルギー疾患実用化研究分野)(以下、本研究事業)では、効率的かつ効果的な研究開発を推進し、限られた原資を有効に活用し、研究開発支援を適切に実施すること等をねらいとし、本研究事業における中間評価の評価項目に沿って、評価対象課題別に書面審査及び面接(ヒアリング審査)にて中間評価を実施しました。

2.中間評価委員会

開催日:平成28年1月20日

3.中間評価対象課題

4.中間評価委員

5.評価項目

  • 研究開発進捗状況について
  • 研究開発成果について
  • 実施体制
  • 今後の見通し
  • その他、総合的に勘案すべき事項

6.総評

本研究事業は、免疫アレルギー疾患の病態を解明し、根治的治療法の確立に資することを目的としています。

評価委員会では、いずれの課題も進捗状況は順調で、良好であると評価されました。

一つ目については、生物学的製剤の今後の適応を左右する重要な課題で、キーオープン後の結果の十分なレビューをし、提携企業との交渉にあたること、二つ目については、希少疾患に対する治療薬の研究開発に繋がる魅力的な課題であり、今後、効率化による費用削減の方法を探ること、臨床開発のロードマップを明確にすることなどが指摘されました。

以上より、課題はあるものの、得られた研究成果は本研究事業の趣旨に相応しく、また進捗も研究継続するに適うと評価され、今回中間評価の対象となった2課題とも継続することとしました。

事後評価

1.事後評価の趣旨

事後評価は、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び運営の改善に資することを目的として実施します。

免疫アレルギー疾患等実用化研究事業(免疫アレルギー疾患実用化研究分野)(以下、本研究事業)では、評価委員会を以下の日程で開催し、本研究事業における事後評価の評価項目に沿って、評価対象課題別に書面審査及び面接(ヒアリング審査)にて事後評価を実施しました。

2.事後評価委員会

開催日:平成28年1月20日

3.事後評価対象課題

4.事後評価委員

5.評価項目

  • 研究開発進捗状況について
  • 研究開発成果について
  • 実施体制
  • 今後の見通し
  • その他、総合的に勘案すべき事項

6.総評

本研究事業は、免疫アレルギー疾患の病態を解明し、根治的治療法の確立に資することを目的としています。

評価委員会では、アレルギー疾患領域 7研究開発課題、免疫疾患領域 2研究開発課題を対象としました。

アレルギー疾患領域研究開発課題のうち、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを対象としたものでは、皮膚や腸管内細菌叢の観点から研究するという先進的な取り組みや疾病関連遺伝子の同定に成功するなど成果が得られている。又、皮膚バリアケアというアレルギーマーチの核心に迫る研究を通じて着実な成果を上げている。さらに、「日本皮膚科学会ガイドライン2009」を更にグレードアップさせることもできており、概ね優れているとの評価でした。アレルギー疾患の全年齢にわたる継続的疫学調査、アレルギー性気管支肺真菌症の診療のための調査研究が行われ、ガイドライン作成に至るなど良好との評価を受けました。実用化を目指した創薬研究も実施されましたが、コンセプトは優れてはいるが、進捗状況はかなり遅れており、やや劣っているとの評価でした。

免疫疾患領域の研究開発課題では、関節リウマチの関節破壊を評価するためのX線画像自動評価システムを完成形にすることができており、医療の均てん化に貢献できる、又、関節リウマチおよび結合織疾病患者の B型肝炎初する再活性化に関する観察研究については、これまでに類を見ない大規模な前向き研究で成果が得られており、良好であるとの評価でした。

今後も開発や実用化に向けた研究を推進していくことが望まれました。

最終更新日 平成29年9月6日