疾患基礎研究課 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業における令和元年度 課題評価結果について

令和元年度「循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業」の事後評価結果を公表します。

事後評価

1.事後評価の趣旨

事後評価は、課題等について、研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業等の運営の改善に資することを目的として実施します。

循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業(以下、本研究事業)では、評価委員会を以下の日程で開催し、本研究事業における事後評価の評価項目に沿って、評価対象課題別に書面審査・面接審査にて事後評価を実施しました。

2.事後評価委員会

開催日:令和元年11月15日

3.事後評価対象課題

4.事後評価委員

5.評価項目

  • 研究開発達成状況
  • 研究開発成果
  • 実施体制
  • 今後の見通し
  • 事業で定める項目及び総合的に勘案すべき項目
  • 総合評価

6.総評

我が国において、がん、循環器疾患、糖尿病、COPDなどの生活習慣病は医療費の約3割、死亡者数の約6割を占めており、急速に進む高齢化を背景に、生活習慣病の発症・重症化予防について、早急な対応が求められています。本研究事業では、健康日本21(第二次)や未来投資戦略2017で掲げられている健康寿命の延伸を目指し、がん以外の生活習慣病の病態解明や予防法・治療法の確立、生活習慣病患者の生活の質の維持・向上などの幅広いテーマを対象に、基礎から実用化までの一貫した研究開発を推進しています。

健康増進・生活習慣病発症予防分野において、マクロ栄養素摂取量に関する新たなバイオマーカーの開発に関する研究、肥満症の効果の高い治療戦略と減量数値目標を見出す研究、電気加熱式たばこの喫煙・受動喫煙がもたらす健康障害に関する研究が一定の成果が得られていると評価されています。 

生活習慣病管理分野において、非侵襲的な画像検査を用いた脳卒中・心血管疾患の発症・重症化予測とそれに基づく最適な治療戦略に関する研究の一部、循環器医療(心不全及び冠動脈疾患)に係る医療の適正化を目指した研究が優れた成果が得られていると評価され、心不全の発症・重症化予測とそれに基づく最適な治療戦略の開発研究、心房細動の発症予測・予後予測とそれに基づく最適な治療戦略の開発研究、大動脈疾患の診療の質均てん化と向上を目指す研究、弁膜疾患治療の有効性・最適化・費用対効果を明らかにする研究、脳卒中を含む循環器診療の質均てん化及び向上を目指す研究、急性期脳卒中診療の均てん化に資する血栓溶解療法の推進を目指す研究、超急性期虚血性脳血管障害の非侵襲的画像診断法に関する研究、急性大動脈解離発症前診断技術の創出に資する研究が一定の成果が得られていると評価されています。一方で非侵襲的な画像検査を用いた脳卒中・心血管疾患の発症・重症化予測とそれに基づく最適な治療戦略に関する研究の一部が十分な成果が得られていないと評価されています。

最終更新日 令和2年1月17日