疾患基礎研究課 新興・再興感染症研究基盤創生事業(海外拠点活用研究領域、新型コロナウイルス感染症以外のテーマ)における令和4年度課題評価結果について(事後評価)
令和4年度新興・再興感染症研究基盤創生事業(海外拠点活用研究領域、新型コロナウイルス感染症以外のテーマ)において、海外研究拠点を活用した感染症に関する研究の事後評価結果を公表します。詳細は各項目をご覧ください。
1.事後評価の趣旨
事後評価は、研究開発課題について研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の研究開発成果等の展開及び事業等の運営の改善に資することを目的として実施します。
2.事後評価委員会
開催日:令和5年7月13日
3.事後評価対象課題
令和4年度 事後評価対象課題(令和2年度開始、令和4年度終了:15課題)
4.事後評価委員
岩田 敏(前 国立がん研究センター中央病院 感染症部 部長)
倉根 一郎(国立感染症研究所 名誉所員)
笹川 千尋(千葉大学 真菌医学研究センター長 特任教授)委員長
舘田 一博(東邦大学 医学部教授)
多屋 馨子(神奈川県衛生研究所 所長)
俵木 保典(第一三共株式会社サステナビリティ推進部 環境経営・グローバルヘルスグループ)
横田 恭子(東京工科大学 名誉教授)
(五十音順、敬称略、令和5年7月13日現在)
5.評価項目
- 研究開発達成状況
- 研究開発成果
- 実施体制
- 今後の見通し
- 総合評価
6.総評
本研究領域は、令和2年度に新興・再興感染症研究基盤創生事業(海外拠点研究領域)で整備した海外研究拠点において、海外に活動拠点を持たない国内の大学や研究機関に所属する研究者にオープン利用により、研究機会の提供を行う趣旨で、令和2年度に新規公募によりが開始されました。
公募趣旨のとおりに、海外研究拠点において得られる感染症患者検体や臨床データ、各種情報等を活用して、海外拠点との間で、リソースや解析手法の共有化による相乗効果が得られました。
また、研究活動と併せて、今後、グローバルな研究フィールドにおける感染症研究で活躍し得る我が国の人材を育成しました。
本研究領域の事後評価が著しく高い課題のうち、顕著な成果を記載します。
- ベトナム拠点を活用して、周辺国で採集したデング熱媒介のネッタイシマカに対して、200以上の遺伝子を対象に解毒酵素の全長解析を行い、インドシナ半島で超殺虫剤耐性遺伝子を有するネッタイシマカを発見し、その分布を国際的な学術誌に報告した。その成果は、海外のマスコミ及び国内報道機関においても広く紹介され、国際発信力の高い研究成果として高く評価された。
- ザンビア拠点を活用した研究課題において、コウモリが回帰熱ボレリアの自然界における感染環として広範な拡散に重要な役割を果たしていることを明らかにした。回帰熱ボレリアの分布調査、診断法開発、遺伝子解析に関する論文を国際的な学術誌で発表した。
掲載日 令和5年12月7日
最終更新日 令和5年12月7日